リゼロを読む WEB版・初見向け解説
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206話

第七章99

『空を統べるモノ』

雄叫びが、失われた技術を蘇らせる。そして龍は、地上へ舞い降りた。

📣 魔法の言葉

ただの雄叫びが、この世界では魔法になる

『ウォークライ』という言葉がある。端的に言えば、それはただの雄叫びに過ぎない。

――それはこの世界において、正しく『魔法』の言葉であった。

ベアトリス

( ゚д゚ )

「……信じられないかしら」

ベアトリス「――魔装励起」

数百年前から言葉としては存在しながらも、実用化なんて程遠いとされた幻の技術。

――『魔女』エキドナですら、個人では再現しようのない技術として放置した『空想』。

体内を巡るマナを身体強化へ利用する『流法』を強引に実現する手法。

――火事場の馬鹿力。人間のリミッターを強引に解除する手法だ。

🔥 理想的な環境

――適当に集めた集団では効果は生まれず、数が増えすぎれば効果は定着しない

過去に立ち会ったのは戦場でのことであり、効果を発動していたのは少数の部族だった。

――彼らは戦いの前も、最中も、決着後も声を上げ続けた。

その雄叫びには部族全体の力を底上げする効果が付随し、飛び抜けた戦果を挙げていた。

――適当に集めた集団では効果は生まれず、数が増えすぎれば効果は定着しない。

実力者一人では再現性もない。故に、『魔装励起』は日の目を見ずに廃れた。

「「「最強! 最強!! 最強――ッ!!」」」

スバルを中心に強固な信頼で結ばれ、一軍として数えるだけの戦力となり、

迂闊な陽魔法で調子を崩すだけの実力者もいない、まさしく理想的な環境。

――一人一人が文字通り、一騎当千の戦士となった。

🛡️ ぶっ飛ばしても

敵の隊列が、先端から溶けるように失われる

まるで熱した鉄を当てられた氷のように、敵の隊列は先端から失われていく。

スバル「――ぶっ飛ばしても死なせるな! やり合っても勝てねぇって思わせろ!」

「「「おお――!!」」」

「「「オレたちが、あんたに救われたのと一緒だ!!」」」

戦場を知るものであれば、子どもの戯言だと笑い飛ばすような話。

――量産されるのは死者ではなく、心身共に戦意をへし折られた負傷者の山だ。

戦術的判断ではない。ただ単に、ナツキ・スバルが死者を出す勇気がないだけの話。

――その勇気がないだけの希望が、この圧倒的な戦力に叶えられていく。

🤯 馬鹿げてる

どこまで考えてやっているのか、と問われる

ベアトリス

(>﹏<)

「スバル、どこまで考えてやっているのよ!?」

スバル「でっかい声出して、やるぜやるぜやるぜってなってるとすげぇ気持ちが盛り上がるんだよ!」

ベアトリス

(╬゚д゚)

「~~っ、馬鹿げてるかしら!」

――スバルも周りの連中も、誰も『魔装励起』のことなんて知らないし、理解もしていない。

思いっ切り声を上げて戦ったら自分たちが強い、というわけのわからない理屈を武器に、

『魔女』さえ手放した理論を完全再現して戦っているだけなのだ。

――そしてそれが可能となるのは、『小さな王』の権能を有する彼だけなのだ。

ベアトリス

(≧▽≦)

「それでこそ、ベティーのパートナーなのよ!」

ベアトリス

「――エル・シャマク」

――参戦してものの数分で、最小の被害に留まっていた第四頂点は崩壊した。

🔥 見せ場を奪われた

切り札として来たのに、出番がない

セリーナ「――やれやれ、切り札登場とばかりにやってきたというのに、我々の見せ場が奪われてしまったな」

セリーナ

(・∀・)

「実に痛快だ」

アベル

「貴様の援軍の肝は飛竜隊であると、そうこちらは認識していたが?」

セリーナ

(´ー`)

「安心しろ。今、戦場の目を奪っているあれらは予想外の代物だ」

セリーナ

「生憎とあのものたちが仰いでいるのは一人だけのようでな」

セリーナ

(¬_¬)

「よもや、顔を隠したものとは手を組めぬとでも?」

アベル

(・_・)

「理由は語らぬが、この面は手傷が理由ではない。必要あってのものだ」

セリーナ

「必要でないことはしない主義だと、文からもそう読み取れた」

🐉 冷や飯

隣にいるのが誰か、微塵も思っていない

アベル

「貴様を選んだ最大の理由は、引き入れることで戦の勝算を上げるためだ」

セリーナ

(´ー`)

「帝都からは冷や飯を食わされている、我が飛竜隊をそこまで評価してくれるとは」

飛竜隊は、ドラクロイ領が畏れ敬われる理由の最も中核たる部分。

――最も傷付けてはならない矜持の源泉だ。

アベル

( •̀_•́ )

「制空圏を奪えるな」

セリーナ

「仰せつかろう。――私の飛竜隊が」

セリーナ

「あの突発的な援軍に、見せ場を奪われ続けるのも癪だからな」

セリーナ「野生の飛竜と訓練された飛竜隊との差を、皇帝閣下の御目にかけるとしよう」

――そう、件の皇帝の本物が隣にいると微塵も思わずに。

💡 己の力

玉座の偽者にとっても、これは想定外のはず

セリーナ

「この戦場に間に合わせるために昼夜を問わず走り続けたそうだぞ」

アベル

(・・・・・・)

「――。理屈は理解できても、現実味のない行動だ」

アベル

「挙句、間に合わせても離脱者が多すぎて戦えるはずがない」

セリーナ

(¬_¬)

「では、鬼面の総大将、お前にはあれが士気の低いものたちの戦いに見えるのか?」

あれを指して士気が低いと嘯くのは、現実の見えていない愚か者の妄言だ。

セリーナ

「率いているのは、各地で話題になっている『黒髪の皇太子』の一人だそうだ」

アベル

( ゚д゚ )

「――。そういうことか」

アベル「――ようやく、己の力をまともに使う気になったか」

そしてそれがおそらく、帝都の玉座にいる偽りの皇帝にとっても想定外のはずと。

❄️ 一人で戦う

発魔期のときみたい、と思い出す

メゾレイア

『――我、メゾレイア。我が愛し子の声に従い、天空よりの風とならん』

エミリア

( •̀_•́ )

「――アイシクルライン!!」

寸前までいた大地を凄まじい速度で尾が薙ぎ払い、一瞬で地面が剥がされる。

エミリア「他のみんなのところにはいかせられないもの」

エミリア

(´・ω・`)

「プリシラみたいに合わせてくれる子ならいいけど……」

エミリアはあまり、周りの人と息を合わせて戦うのが得意ではない。

――考え事をしながら戦うのが苦手なのだ。

エミリア

「どんどんどんどん、冷たくしてるから」

ほとんどの地竜は寒さに弱い、というのはペトラからの提案だった。

――実際は耐性はまちまちだが、その勘違いを埋め尽くすほど冷えれば無関係だ。

エミリア

(;゚Д゚)

「――パックの発魔期のときみたい」

💃 舞うように

塔で戦った経験が、ここで活きる

広げられた翼が翻り、頑張って硬くした氷壁が容易く切り裂かれる。

エミリア「えい! や! よしょっ! 危ないっ!」

相手と視線を切らないのは、監視塔で『神龍』と直接戦った経験が活きている。

――攻撃に見えないような些細な動きさえも、とんでもなく危ないことになりかねない。

エミリア

(;´Д`)

「ボルカニカのときは、鼻息で吹き飛びそうになっちゃったもの」

そのときのことが思い出され、ここにいたのが自分でよかったと再認識。

――龍との戦い方を知らないと、うっかり最初の何かで転んでおじゃんになりかねない。

🌀 聞く耳を持たない

話を聞いて、と呼びかけても届かない

エミリア

(>﹏<)

「メゾレイア! お願いだから話を聞いて! マデリンとも、戦いたく……」

メゾレイア

『――我、メゾレイア。我が愛し子の声に従い、天空よりの風とならん』

エミリア

(´;ω;`)

「うう、やっぱり……」

メゾレイア

『――我、メゾレイア。我が愛し子の声に従い、天空よりの風とならん』

エミリア「ボルカニカとおんなじで、お年寄りすぎて全部忘れちゃってる!」

空を統べる『雲龍』も、塔で出くわした『神龍』と同じように――

――ボケてしまっている、ということだった。

第七章99『空を統べるモノ』終了。