第七章57B
『大馬鹿と呼ばれて構わない』
銀と紅が並んで舞う。――そして、雲上から『龍』が咆哮した。
🔎 密入国
人生で一番、慌てふためくことになった
――ナツキ・スバルの行方がわからなくなり、エミリアは人生で一番慌てふためいた。
(´・ω・`)
「お願い、スバル。――どうか、レムと一緒にへっちゃらでいて」
「ウチたちはカララギの方から攻めてみるわ」
(・∀・)
「ナツキくんのことも王選も、全部片付いたらお友達になろか」
(´ー`)
「私、アナスタシアさんとお友達になれてよかった」
「――密入国です。ピックタット……僕の実家があるその街からなら」
「入り込む手段を用意できるかもしれません」
( •̀_•́ )
「スバルたちのために、私たちができることを全部しなくちゃ」
(╬゚д゚)
「何としても、スバルを無事に連れ戻すのよ。やってやるかしら」
――そうして一行は国を渡り、狂乱渦巻く城郭都市に雪をもたらした。
❄️ アイスエイジ
やりすぎないよう、注意深く力を調整する
どうして、こんなにひどいことができてしまうのか。
――だから、精一杯悔しがって、この悔しさを忘れないようにしようと思う。
やりすぎないように気を付けて、注意深く、魔法の力を調整する。
――故郷のように氷漬けにするわけにはいかない。仮死状態にするのも厳禁だ。
「竜種は寒さに弱い。まして、凍えるような寒さを知らぬ飛竜となれば……」
「飛竜は寒さに弱いって、飛び出す前にペトラちゃんが教えてくれたの」
(¬_¬)
「従僕の知恵を頼ったか。道理で、まともな策を打つと思わされたものよ」
😲 なんでこんなところに
ここはルグニカではないのに、と面食らう
(゚д゚ )
「え、プリシラ? なんでこんなところにいるの? ここ、ルグニカじゃないのよ?」
「そっくり同じことを貴様に返してやる」
「もっとも、貴様が帝国に足を踏み入れた理由の心当たりはあるが……」
(;´Д`)
「あ、方法は内緒ね。言っちゃいけないことになってるから」
「あと、私が誰なのかも隠さなきゃいけないんだって」
🎭 通りすがりの精霊術師
名前も、正体も隠さなくてはならない
(╬¬_¬)
「次から次へと、なんなんだっちゃ、お前たち」
「あの犬人と同じだっちゃか……?」
「アラキアのことなら、あれは『精霊喰らい』であって精霊術師ではない」
(・_・)
「『精霊喰らい』ってなに? 精霊をどうするの?」
「聞いての通り、精霊を喰らう。その力を己の内に取り込み、十全に使う存在じゃ」
(゚д゚ ;)
「精霊を食べちゃうの!? そんな、ひどい……」
🚫 思い上がり
ちゃんと話しましょう、と持ちかける
「なら、ちゃんと話しましょう、マデリン」
( •̀_•́ )
「あなたが、あの飛竜たちに街を襲わせてる張本人でしょう。それをやめてほしいの」
「あなたが飛竜を大事に思ってるんなら、私のお願いを聞いてほしいの」
「――貴様でなくとも、誰であろうと説き伏せられまいよ」
「あれは竜人、もとより、地に根を張るものの言葉に耳を貸すほど殊勝ではない」
「プリシラ、いつも私に意地悪ばっかり言う子だと思ってたのに」
「見合わぬものに見合わぬと、そう述べることを邪険と妾は思わぬ」
🧊 一緒に止めましょう
怖がってあげることは、できない
「一緒にあの子を止めましょう。意地悪しちゃダメよ」
(╬¬_¬)
「妾の行いを、稚気の表れなどと貶めるな、半魔風情が」
氷の留め具が噛み合う音がして、雰囲気が見知ったそれに戻る。
「――竜を相手に、恐れを知らない奴らはうんざりするっちゃ」
「私、ちょっと前におっきな龍とケンカしたばっかりなの。だから」
💃 技と力
技と力で、攻防を完全に封じ込める
(・∀・)
「プリシラ! あげる!」
「妾でなければ指が落ちるぞ。――だが、装飾は悪くない。使ってやる」
(╬゚Д゚)
「とやぁ!!」
「お願い!」
「指図するでない」
「代われ」
「とりゃ! そやや! えいたぁ!!」
――プリシラが技で、エミリアが力で、竜人の攻防を完全に封じ込める。
(>Д<)
「――なんで、なんでなんでなんで、なんでだっちゃ!?」
(>﹏<)
「お前らはなんだっちゃ……なんなんだっちゃ!」
「――エミリー!」
「妾である」
🐉 メゾレイア
やっつけた、と思った次の瞬間
(;´Д`)
「……やっつけた、かしら」
「相応の手応えはあった。生憎と、歯応えはなかったがな」
「竜人の上、『九神将』の地位にあるにしてはこの程度か、と言っておる」
「その、キューシンショウもだけど、リュウビトって何なの?」
「古に滅んだとされる種族よ。もはや見かけることもなくなった龍と通じ合う力を持つという」
(´・ω・`)
「龍……それって、ボルカニカとも話せる? ボケちゃってるんだけど……」
「よもや、貴様の口から然様な言葉が飛び出すとはな」
――負けを認め、飛竜を退かせる言葉を期待して耳を澄ませた。
しかし、紡がれたのは敗北宣言ではなかった。呟いたのはたった一言、名前だ。
――次の瞬間、雲上からの『龍』の咆哮が地上へと破壊を降り注がせた。
🛡️ 一枚ずつ角度を変える
六枚の天蓋が破られた刹那、光の入り方は確実に変わった
音もなく、合図もなく氷の塔が生み出され、頂に銀と紅が踊り込む。
巨大な天蓋の内側に、一回り小さい天蓋を。
さらにその内側にもう一回り小さい天蓋を。――重ねて、六枚。
その裏側で、すべらかな指が虚空へ伸び、空間を鞘とする『陽剣』が引き抜かれる。
――内から溢れる光は、万全のときと比べるべくもなく弱々しい。
一枚目、二枚目、三枚目と微々たる変化が、四枚目、五枚目でささやかな変化となり。
六枚目が破られた刹那には、光の入り方は確実に変わった。
――真紅の煌めきが、美しく鮮やかに、抗うような一閃となって放たれ――
🩸 大馬鹿
細い肩を押して、その場から突き飛ばす
完全に音が掻き消え、生まれて初めて味わう静けさが体感で十秒。
――衝撃波が城郭都市の全方位を満遍なく呑み込み、ひっくり返した。
「ようしようし、たぶん、深刻な状況ではなさそうだぞぅ……」
南の空に厚い雲が何層にもかかり、その雲を太陽の光が貫くように降り注ぐ。
――いっそ、幻想的とさえ言える光景。
「フロップさん、手伝ってください。この子を中に運ばないと……」
――その人影は小さかった。小さく、可憐で、頭に二本の黒い角があった。
意識が朦朧としたまま体を起こし、鋭い爪の腕を無造作に振り抜こうとしている。
――自分の命を大事にしろよ、フロップ。自己犠牲なんて大馬鹿のするこった。
――そんな自分の答えを、好きな人たちがみんな手を叩いて笑ってくれたから。
「フロップさ――」
細い肩を押して、その場から突き飛ばす。
血が散って、フロップ・オコーネルは冷たい地面に倒れ込んでいった。
第七章57B『大馬鹿と呼ばれて構わない』終了。
エミリア
アナスタシア
オットー
ベアトリス
プリシラ
マデリン
フロップ
レム