リゼロを読む WEB版・初見向け解説
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206話

第七章100

『頂点万化』

凍てつく戦場、鋼人の城壁、そして老獪な影。三つの頂点で局面が変わる。

🐉 途方に暮れる

終わらせ方が、前とは違う

ボルカニカのときは、やっつけるんじゃなく『試験』を終わらせるのが目的だった。

――だからこそ、防戦一方でも頑張れた。

エミリア「やっつける以外の方法がなくて、メゾレイアの方が途方に暮れちゃう――っ!」

エミリア

(>﹏<)

「兵隊さん!」

飛び上がった氷兵の掲げた両腕を足場に跳ぶ。逃げ遅れる兵は粉々に砕かれる。

エミリア

「えい、やぁ!!」

足だから手は抜けないと、容赦と手加減なしの本気の蹴り。

エミリア

(;゚Д゚)

「ちっとも効いてない!」

🥶 極寒

体温が高すぎて、雪が触る前に溶ける

マデリン

(╬゚Д゚)

「うるさいっちゃ! 竜に気安く、話しかけるんじゃないっちゃぁ!!」

マデリンの体温がとんでもなく高くなっていて、雪は触る前から溶けて消えている。

――『パックの真似っ子』作戦は二人にはうまく通じていない。

エミリア

「アイシクルライン――!」

エミリア「この冷たいのを全部、ぶつけてみる!」

戦場全域に広げていた冷気を一極に集中させる。

――雪を蒸気に変える竜人の体温を、一気に氷点下まで引き下げた。

マデリン

( ゚д゚ )

「――ぐッ!?」

エミリア

(´・ω・`)

「ごめんね、マデリン。もっとちゃんと、あなたとお話した方がいいと思う」

エミリア

( •̀_•́ )

「でも、聞く耳を持ってくれないなら、今は大人しくしてもらうしかないの!」

――血も肉も、骨も皮も全部を白く凍えさせ、マデリンを氷漬けにする。

🎭 大ウソ

氷漬けを維持するにも、力は要り続ける

氷漬けを維持するためには冷やし続けなくてはいけない。そこにも力を使い続ける。

――できればメゾレイアには、ここで引き返してもらえるのが一番大助かりだった。

エミリア「もしもまだあなたが続ける気なら、私にも考えがあるんだから」

――嘘だ。考えがあるというのはエミリアの大ウソだった。

スバルやオットーを見習った、エミリアには珍しいハッタリだった。

メゾレイア

『――我、メゾレイア。我が愛し子の声に』

エミリア

(・_・)

「……あれ?」

メゾレイア

『愛し子の、声に……声に、従い……』

悠然と鎮座していた龍が、どこか苦しげに顔をしかめて頭を左右に揺らし始める。

エミリア

「急に、なに? 頭が痛いの?」

👁️ 竜は持たない

メゾレイア『お前と話す言葉を、竜は持たないっちゃ』

今、初めて、メゾレイアの双眸に『見られた』と、そう感じた。

――それはすなわち、その瞳に意思と知性が宿った証であり。

エミリア

「やっと話を――」

メゾレイア

(╬゚д゚)

『言ったはずだぞ、ニンゲン』

その声に宿った激情が、つい先ほどまで向けられていたものと全く同じだった。

メゾレイア『お前と話す言葉を、竜は持たないっちゃ』

エミリア

「までり――」

龍の力に確かな意思が宿った場合の恐ろしさ、それが容赦なく降り注いだ。

🐲 洗練

野良と、訓練された者の差が見える

ズィクル

「――あれが、セリーナ・ドラクロイ上級伯の飛竜隊」

野良の飛竜は野性に身を任せ、暴力的に爪や牙を振るう。

――対して飛竜乗りたちの対処は、鮮やかで洗練されている。

ズィクル「こうも違うものか……」

ズィクル

「閣下の策が功を奏したなら、私も続かなくてはならない」

あの光の前に身を投げ出し、それをどうにかしてしまった少女の姿が見えていた。

――一度、この眼で捉えた女性を見間違えることはない。ズィクルの特殊能力だ。

ズィクル

( •̀_•́ )

「どうか、御無事であれ――!!」

――自分の残り少ない幸福が、全てあの少女の下へと降り注ぎますようにと。

🏹 侮られた

下がらせたのは、おそらく独断だった

ミゼルダ

(・∀・)

「まさカ、私たちだけでも助けようとはナ。シュドラクも侮られたものダ」

おそらく、シュドラクを下がらせたのはズィクルの独断だろう。

――ズィクルなりの、思いやったが故の決断だったのだ。

タリッタ「――私モ、姉上と同じ気持ちでス。ズィクルの気遣いは嬉しくありませン」

タリッタ

「その文句は直接、ズィクルに伝えるとしましょウ」

ミゼルダ

「フ、いい答えダ。――聞いたナ、同胞ヨ!!」

🌸 双子の姉

驚いているのは、そのことではない

「――どうやら、やる気は十分の一団のようね」

タリッタ

「イ、いいエ、私たちが驚いているのハ、そのこととは違いまス」

ミゼルダ

( ゚д゚ )

「――お前の顔ガ、私たちの知る娘と瓜二つだからダ」

ラム

「その、同じ顔をした子とはうまくやれていたの?」

ミゼルダ

「少なくとモ、私たちは気に入っていタ」

ラム

「だったら、ラムとあなたたちとはうまくやれるでしょうね」

ラム

「おおよそわかっているわ。今ここに、腰の引けた女がいないってこともね」

ラム「男は『君の身が心配だーぁよ』などと言うけれど、教えてやりましょう」

ラム

(¬_¬)

「――余計なお世話よ、と」

タリッタ

「同感でス」

ミゼルダ

( •̀_•́ )

「会うのは初めてだガ、確信しタ。――お前もレムと同じデ、戦士ダ」

☠️ 最善手

肩の肉ごと噛み千切り、引き剥がす

オルバルト

「ワシは真っ向から相手の土台に付き合ったりせんのじゃぜ」

肩に触れられただけ。だが、赤い手形が皮を、肉を、骨を焼こうとする。

――毒だと判断した直後に迷わない。肩の肉ごと噛み千切り、引き剥がす。

オルバルト「最善手じゃが、無茶しやがるもんじゃぜ」

ガーフィール

(╬゚д゚)

「――るッせェぞ、爺さん。まだッだ」

オルバルト

「あんまし、お前さんにだけ構ってられんのよな」

オルバルト

「どうも、ワシが抜けってきた壁の方がキナ臭ぇのよ」

オルバルト

「さすがのお前さんも、首が飛んだら死んじまうじゃろ?」

「――胸だ」

胸の前で合わせた拳が砕いたのは、心臓を貫かんと繰り出された隠し刃だった。

――助言に従わず、首への警戒を続けていたら、死んでいた。

🎭 一番嫌いな相手

一番会いたくない相手が、助けに入る

ガーフィール

(╬¬_¬)

「……クソったれ」

ロズワール

(´ー`)

「おや、悪態とは心外だーぁね。せめて、感謝の言葉が聞けると思っていたが」

目の前のオルバルトは嫌いな部類の人間だ。だが、一番嫌いなのはこの後ろの相手。

――前後を嫌いな人間に挟まれる、ガーフィール的に最悪の事態。

ガーフィール

「あの爺さんをぶっちめッたら、次ァてめェだ……」

ロズワール

「まさか、今の姿をラムに見られたくはないだろう?」

ガーフィール

(>﹏<)

「がお……ッ」

オルバルト

「一応、そこの地面の線からこっちきたら命はねえって言ってあるんじゃが?」

ロズワール

「その指摘に関しては聞けていなくてね。なにせ、空からきた」

ガーフィール

「……当然だろォが。てめェ、わざわざ出てッきたってことは」

ロズワール

「無論、多少は役立つつもりだとも。幸いというべきか」

ロズワール「――私も以前、シノビと殺し合ったことがあるからね」

🛡️ 受け流す

逃げ場がないと、心の方が先に感じ取る

――力に意思が宿った光が放たれる瞬間、エミリアは自分の『死』を幻視した。

右にも左にも、前にも後ろにも逃げ場がないと、心の方がとっさに感じ取ってしまった。

エミリア

「アイシクルライン」

分厚い氷の壁を斜めに傾け、その上を光を滑らせる。

――グァラルのときはプリシラがいてくれた。今回はエミリア一人だ。

エミリア

「私も、後ろの人たちも――」

エミリア「――頑張って、私」

メゾレイア

『消えるっちゃ、ニンゲン――』

⚡ 晴れ舞台

放たれた光が、横から打ち逸らされる

放たれた光が、ほんのわずかに横に逸れた。強制的に首の向きを変えられたのだ。

――その顔面を横から打ち据えた凶器、飛翼刃の衝撃によって。

エミリア

「もしかして、私が投げたのが今になって戻ってきた?」

セシルス

(≧▽≦)

「ははははは! それはすごく夢があって素晴らしい想像ですね! でも違います!」

セシルス

「向こうに刺さってたので僕が蹴飛ばしてやっただけですよ!」

セシルス

「これ、なかなか美麗な出来で素晴らしいですね」

エミリア

「ええと、ありがとう?」

セシルス

(・∀・)

「待ち受けるのは大きな龍と美しい女性! 引きが強すぎると思いませんか!」

エミリア

「すごーく強いと思う」

セシルス

「でしょう!」

圧迫感だ。しかしそれは巨大な龍からではなく、目の前の小さな背中から。

セシルス

(≧▽≦)

「巡ってきました大舞台! さあさ皆様御覧じろ!」

セシルス「『青き雷光』セシルス・セグムントの晴れ舞台、瞬き厳禁見逃せば、一生モノの後悔ですよ――!!」

第七章100『頂点万化』終了。