リゼロを読む WEB版・初見向け解説
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206話

第七章50

『眺めのいい"穴"』

見晴らしがよくて、奈落。――どちらかが嘘なら、嘘をついているのは奈落の方だ。

🧩 どっちかが嘘

一つ目のヒントも、ナゾナゾだった

スバル

「――答えは、俺の中にある」

『瞼の裏側』というナゾナゾ、その答えが最初の部屋だった。

だから『見晴らしのいい奈落』も、ナゾナゾだ。

・見晴らしがいい=眺めがいい

・奈落=深い穴

――眺めのいい穴なんて、ちっともちゃんとしていない。

だから、どっちかが嘘だ。嘘をつけるのは、奈落の方しかない。

スバル

(・・・・・・)

「奈落っぽくて、奈落じゃないモノ……」

🕳️ 青い底なし

投げ飛ばされたときの感覚が、答えになる

――通りで、あの男の子に投げ飛ばされたときだ。

ぐるぐると回りながら、何度も思った。

自分が、青い空に向かって『落ちて』いくのだと。

果てしない、青々とした底なしの『穴』へと。

スバル

「――空に、一番近い場所にいかないと」

ルイ

(ノ・∀・)ノ

「あー、う!」

ルイが指差したのは、この街で一番空に近い建物。

スバル

(´Д`;)

「お前も、あれだと思うんだよな……」

――紅瑠璃城。縮んだままでは、間違いなく門前払いを喰らう場所だ。

元に戻る手順に、一度は城へ行かせる。

『悪辣翁』らしい悪巧みに思えた。

🤢 内臓がひっくり返る

あの移動に、自分も乗せてもらえるか試す

スバル

「お前の、あのワープだけど……俺も一緒に飛ばせてたよな?」

ルイ

(・∀・)

「あう!」

スバル

「ホントか? たぶん使えるじゃ困るんだぞ」

ルイ

(`ε´)

「うー……っ」

薄暗い路地から、明るい通りへ。

どこかの建物の一室へ、続けて屋根の上へ。

――ちゃんと使いこなせると証明するかのように、五回。

スバル

(>﹏<)

「わ、わかった! わかったから、もういい! もうやめてってば!」

スバル

(>Д<)

「おええええっ!」

スバル

(;´Д`)

「べ、便利だ。これがあれば……うえっ」

🧱 石垣を飛び越える

指差して、手を強く握る。それが合図だった

飛ぶ方向を指差して、手を強く握る。――それが合図だ。

門の前にどっかり座る門番は、青い鱗の蜥蜴人。

大口を開ける欠伸が、遠くからも見えた。

スバル

「ルイ」

指を、紅瑠璃城をぐるりと囲む石垣に向ける。

――次の瞬間、二人の体は城壁を飛び越え、敷地内に入っていた。

どんな厳重な警備も、ルイの転移の前には役に立たない。

――監視カメラのないこの世界で、神出鬼没のワープは完全にチートだった。

ただし、連続で使えるのは二回まで。

三回以上は絶対に吐くし、もっと悪いと気絶してしまうかもしれない。

スバル

「誰も、こいつを止められなくなる」

――もう誰も殺させない。それが、ルイを連れて逃げたスバルの誓いだ。

😱 真後ろから

慎重にいこう、と言った矢先に

スバル

「とにかく、できるだけ慎重にいくぞ。もし見つかったら――」

ヨルナ「――見つかったら、どうするでありんす?」

ヨルナ

(´ー`)

「童同士が手を繋いで、何とも可愛らしいものでありんす」

ヨルナ

「わっちも思わず、頬が綻んでしまいんすなぁ」

一瞬前まで、廊下には誰もいなかった。

いなかったにも拘らず、突然に現れた。

――異世界の、超越者たちというものは。

ヨルナ

「そう怯える必要はありんせん。何しにわっちの城にきたでありんすか?」

🎲 半分だけ合っている

昨日の印象が、一転する

ヨルナ

「タンザ、でありんすか?」

スバル

( ゚д゚ )

「え……っ」

ヨルナ

「主さんらが、こうして城にいる理由でありんす」

――それは合っている。でも、半分だけだ。

もう半分を埋めるために、賭けに出る。

スバル

「タンザちゃんは、どこにいますか?」

ヨルナ

「生憎と、タンザは使いに出していんす。もう、戻ってもいい頃でありんしょうが……」

――賭けに勝った。

彼女は、正体を見透かしていたわけではなかったのだ。

ヨルナ

「わっちのために尽くすのはよくても、友人との約束を忘れるようでは従卒なんて務まりんせん」

スバル

(´・ω・`)

「と、友達……」

ヨルナ

「その矛先を、わっちにだけ向けるようではダメと、そういつも言っているでありんすが」

――昨日の、底知れない魔都の女帝という印象が一転する。

もっと身近でわかりやすい、子どもを案じる大人の雰囲気に。

🍵 もてなす役目

追い返さずに、部屋へ通してもらえる

ヨルナ

「タンザの不注意でありんすが、追い返すのもしのびのうござりんす」

ヨルナ

「――部屋で、タンザが戻るのを待ちなんし」

ヨルナ

「ついてきなんし。わっちが案内しんしょう」

スバル

(゚д゚ ;)

「うえ……!? ヨルナ様が、ですか!?」

ヨルナ

「ここはわっちの城でありんす。当然、もてなすのはわっちの役目でござりんしょう」

ヨルナ

(・∀・)

「あの子の友人がくるのも初めてのことでありんす。さ、ついてくりゃれ」

スバル

「街の外から……その、怖い大人と一緒に」

ヨルナ

「怖い大人……それはそれは、苦労も多そうでありんす」

ヨルナ

「――その怖い大人、わっちが仕置きしてあげんしょうか」

スバル

( ゚д゚ )

「仕置きって……え、ヨルナ様がですか?」

ヨルナ

(*´ω`*)

「ふふ、こう見えて、わっちはなかなか力持ちでありんすから」

🕊️ 終の地

怖がられていた方が、通しやすい筋もある

スバル

「ヨルナ様は、ちゃんとお話を聞いてくれるんですね」

スバル

「てっきり、偉い人は怖い人だって、勝手に思ってたから……」

ヨルナ

「その主さんらの目から見て、この都市はどう見えるでありんすか?」

スバル

「すごい、賑やかな街だなって。色んな人が、たくさんいるし」

ヨルナ

「この都市には、余所で暮らしづらいものたちが大勢集まりんす」

ヨルナ

「街の外では小さくなって、行き場のない子ら……」

ヨルナ

(・・・・・・)

「声を上げても、気付かれのう子らでありんす」

ヨルナ「その子らが辿り着いた終の地で、わっちが耳を貸さのうござりんしたら」

ヨルナ

「いったい誰が耳を貸してやれるんでありんしょう」

タンザ「愛情深い方です。味方を愛し、敵を憎む。――魔都を生きる、全てのものの恋人」

――タンザの言葉の本当の意味が、ここでわかった。

スバル

(´;ω;`)

「ごめんなさい、ヨルナさん……」

ヨルナ

「偉いお人が怖く見えるのは、そうしないと偉いお人も怖いからでありんしょう」

ヨルナ

「怖がられていた方が通しやすい筋もある、でありんす」

🗣️ 聞いてほしいこと

正しいか間違っているか、考える頭が今はない

ヨルナ

「長く、欲しかったものに手が届きそうな兆しが見えてきたでありんして」

――上機嫌の裏にあるのは、おそらくアベルの送った親書。

だが、その約束が果たされるかは、合流できるかにかかっている。

そして、それを妨害しているのは付き人のタンザなのだ。

自分の望みとタンザの望みがぶつかったとき、彼女はどちらを選ぶのか。

――前にも誰かのために、皇帝に逆らったことのある人が。

ヨルナ

(´ー`)

「――また、眉間に皺を刻んでおりんすな」

これも、早まった考えなのかもしれない。

でも、正しいか間違っているか、ちゃんと考える頭が今はないから――

スバル「あの、ヨルナさんにちょっと、聞いてほしいことが――」

🍶 絶景絶景

天守閣の屋根瓦に、瓢箪を持つ影がある

――紅瑠璃城の天守閣、その屋根瓦の上。

青と赤が入り混じる輝きを尻に敷き、瓢箪に口を付ける。

オルバルト

(´ー`)

「かかかっか、絶景絶景」

混沌としたものが好きだ。

混沌とした街並みも、入り乱れる亜人種も、右へ左へ流れる思惑も。

オルバルト

(≧▽≦)

「ワシんとこ辿り着くにしても、意外性高まりすぎの顔ぶれじゃぜ、ホント」

スバル「オルバルトさん、みーつけた!」

指差す少年と、その手を握る金髪の少女。

――そして、二人の後ろに保護者のように佇む、魔都の女帝の姿だった。

第七章50『眺めのいい"穴"』終了。