第七章32
『進むべき道筋』
プリシラが出した条件は、『九神将』を一人味方に付けること。名前が挙がったのは、謀反人だった。
⏰ 流れる時間の価値
戻るのに時間をかけすぎだ、と叱られる
(¬_¬)
「凡愚一人、連れて戻るだけでどれだけの時間をかける?」
(´・ω・`)
「いや、だから悪かったって謝ってるじゃねぇか……」
「プリシラ、あまりアルを責めないでくれ。悪いのはアルじゃなく、俺だ」
「額が赤くなっているのは、壁にでも打ち付けたか?」
( ゚д゚ )
「お前、『千里眼』でも持ってんの? 的確過ぎて怖ぇよ」
👀 珍しい好奇の眼差し
出ていったときとは、顔つきが違う
「その装いで萎れた顔をしていたかと思えば、顔つきと目の色を変えて戻ってきた」
「血の巡りも多少なりマシになっているとなれば、少しは見え方も変わる」
(・_・)
「……褒められてる、のか?」
「飛び跳ねて喜んでも構わんぞ」
「そこまでではねぇよ」
膝を屈している場合ではないのだと、叱咤激励されることで。
🎴 単純な話じゃ
協力の条件が、はっきり示される
「出せてない結論ってのは、プリシラとの協力体制の話か?」
「九神将をより多く切り取った方が勝つと、それは覚えておるな?」
「ああ。『壱』が役立たずなわりにはお邪魔虫だってところまでは」
「単純な話じゃ。――九神将を一人、味方に付けてみせよとな」
無茶な条件では、決してない。
勝利のための前提を、最初の一歩として求めているだけだ。
「なんて、小躍りしていい条件じゃない、よな?」
「当然だ。わざわざ負け戦に乗りたがる傾奇者などそうはおらぬ」
🏠 普段はどこに
あの男が普段どこにいるか、を聞く
「恐れながら、閣下、やはりここはセシルス一将を頼っては?」
「セシルス一将のような、真っ当でない考えの持ち主しか頼れないのではないかと……」
(・・・・・・)
「あ、ズィクルさんもその人のこと頭おかしいって思ってんだ」
「問題はどこにいるのか、とかだよな。普段はその人、どこに住んでるんだ?」
「あれは普段、帝都にあるアラキアの家に住んでいる」
(・_・)
「なるほど、アラキアの……なんで?」
「アラキアはセシルスを殺す機会を窺っている」
「命を狙うたびに周囲に被害を出されては敵わぬ。故に、セシルスに命じた」
「どうせなら、アラキアの狙いやすい場所にいろと」
将軍同士の殺し合いを放置する精神性も、それに従う考えも理解できない。
「自分を殺そうとかする奴と、よく一緒に住めるな……」
😱 少々では済まない問題
魔都を拠点にする一将の、いまの状況
「それは魔都カオスフレームを拠点としているヨルナ・ミシグレだ」
「『極彩色』とか、そんな風に呼ばれてたっけ」
(´・ω・`)
「美しい方です。その点、私だけでなく、誰もが認めるところでしょう」
「ですが、ヨルナ一将には少々……いえ、少々では済まない問題が」
「その、問題ってぇのはなんなのよ」
「え?」
「え?」
「ヨルナ・ミシグレ一将は、これまで幾度も謀反を起こし、ヴィンセント・ヴォラキア皇帝の治世を脅かした謀反人なのです」
(╬゚Д゚)
「そんな奴、将軍のポジションに置くなよ!!」
🗺️ 密林の南
魔都カオスフレーム
「そのカオスフレーム……だったか。どこにあるんだ?」
「位置的にはそうでもない。ここから南東……バドハイム密林の南に位置している」
「あとは、なんで魔都なんて呼ばれてるのかだけど」
「安心せよ、凡愚。貴様の小胆が潰れるような理由ではない」
「かの地は、古くより多くの種族が混沌と住まう都市なのよ」
混沌。――それで、魔都。
「――魔都にて、九神将の『漆』であるヨルナ・ミシグレを傘下へ加える」
「それで構わぬ。なに、妾は寛大じゃ。後出しで条件を加えたりはせぬ」
🙏 切羽詰まった色
新しい族長が、同行を願い出る
(>﹏<)
「――アベル、どうか私も連れていってくれませんカ」
「どういうつもりだ? 貴様は姉より、シュドラクの族長の座を譲り受けたはず」
「今の私では一族ヲ、シュドラクを率いるには力不足デ……」
「必要なのでス……私ガ、誇りと共に族長の立場を背負える切っ掛けガ」
彼女が求めているのは、成功体験だ。
自らの力で、自分を認められるだけの成果。
――それは、今こちらが欲しているものと、根底で同じものだった。
「アベル、俺は賛成だ」
「そんな心持ちでミゼルダさんの跡目を継いでも、タリッタさんだって力を発揮できない」
(´;ω;`)
「ナツミ……」
「しばらくハ、姉上に代理を任せまス。グァラルを守るたメ、大勢は動かせませン」
「沈黙の間に、そのぐらいは考えたか」
🚪 話は聞かせてもらった
扉の向こうから、売り込みが飛んでくる
(・∀・)
「――話は聞かせてもらったよ!!」
「タリッタ嬢、大変な役回りに自ら志願する心意気、僕はとても感銘を受けた!」
「僕の妹の、ミディアムを連れていくのがいいだろうとね!」
「そ、その心は?」
「まず腕が立つ、そして愛嬌がある。その上、滑舌がいいんだ!」
( ゚д゚ )
「滑舌……!」
三分の二は人好きする性質の話で、実質的な売りは「腕が立つ」の一点だけ。
「けど、そんなこと、ミディアムさんに相談したのか?」
「いいや、していないよ! でも、これから話すから大丈夫さ!」
(・・・・・・)
「……だ、大丈夫なのか?」
🌍 果たさなくてはならない
付き合う必要はない、と言っても引かない
「……ミディアムさんもだけど、付き合う必要はないんだぜ」
「馬鹿を言っちゃいけないよ、旦那くん。僕には目標がある」
「やらなくてはならない、果たさなくてはならない復讐がね」
物騒な単語。だがそれは、この朗らかな男さえ許せない理不尽に向いている。
「妹も、それは同じさ。僕と妹の目的も、歩く道も同じだ」
「ここで君や奥さん、村長くんを見捨てたら、もう胸を張ることができないんだよ」
(´;ω;`)
「――。泣きそうになる。惚れそうだ」
⚖️ 交渉の材料
都市を落とした軍師、という肩書きの使い道
「無論、凡愚だけではない。『シュドラクの民』に、グァラルの守備兵、ズィクル・オスマン二将も交渉の材料となる。じゃが、一番は……」
「都市の陥落に貢献した軍師……言ったはずだ。帝国では強者が尊ばれる」
「それは武力だけでなく、知略においても同じことだ」
高く評価され、むず痒いとも言える。
だが一方で、過分な評価であるとも思える。
どれほど帝国で評価されても、レムの信頼と比べれば秤にかけるまでもない。
「俺が役立つってんなら上等だ。うまく使え。その代わり……」
「代わりに?」
( •̀_•́ )
「てめぇ、絶対に皇帝の座を取り戻せよ。それで、俺たちを無事に帰してもらう」
「言われるまでもない。――それが、俺のすべきことだ」
第七章32『進むべき道筋』終了。
プリシラ
アル
ナツミ
アベル
ズィクル
タリッタ
フロップ