リゼロを読む WEB版・初見向け解説
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206話

第七章44

『収縮する視野』

死んだ覚えのないまま、同じ朝へ。――そして、記憶から名前が一つ、抜け落ちかける。

❓ 死の自覚がない

何が起きたのか、わからないまま戻された

『死』の自覚がないままの回帰。

認めたくなくとも、認めるしかない。

スバル

(・・・・・・)

「……死なないはずの、かくれんぼの最中に」

宿の外に踏み出した、その瞬間。

突如として、世界は暗転した。

――そして気付けば、この場所に舞い戻っている。

アベル

「――かくれんぼだ」

💪 頭がいいとこ

顔色が悪い、と気づかれる

アル

(・_・)

「どうしたよ、兄弟。だいぶ顔色悪いぜ」

スバル

(;´Д`)

「いや、悪い。話してる最中に、急にドッと疲れがきた……感じだ」

アル

「縮んだせいで能力半減したオレやミディアムちゃんと違って……」

アル

「兄弟の強みは縮んでも健在のはずだろ?」

ミディアム

(๑˃̵ᴗ˂̵)

「もちろん! スバルちんのすごいところは頭のいいとこだよ!」

ミディアム

(≧▽≦)

「おっぱいちっちゃくなってもへっちゃらじゃん!」

――縮んで最も影響が少ないのは、スバルなのだ。

そのスバルが、精神的な消耗を引きずっている場合ではない。

🚫 ありえんな

約束を破る可能性を、確かめてみる

スバル

「手出しさせないってあれだが、オルバルトさんが破る可能性とか、ないか?」

アベル

「――いいや、ありえんな」

アベル

「そのような行い、オルバルトに得るものがない。故にありえぬ」

スバル

(>﹏<)

「け、けど、オルバルトさんは皇帝殺しまで考えてたんだぞ!」

アベル

「死後の名声は、俺にはない発想という話だ。だが、これとそれは別の話だ」

アベル

「奴が皇帝の首を狙うなら、それこそ俺の情報は喉から手が出るほどに欲するものだ」

アル

「破る気があるなら、宿の中も外も関係ねぇ。だろ?」

――確かに、そうだ。

殺すつもりなら、外に出る前の方が人目にもつかない。

それに、あの怪老なら自分の顔を見せたがるはずだ。

スバル

(´・ω・`)

「どういうことになるんだ……?」

💗 規則正しい鼓動

何が心配なのか、と聞いてもらえる

ミディアム

「ねえねえ、スバルちん、何が心配なの? お外が心配?」

ミディアム

(´ー`)

「よしよし、スバルちん、落ち着いて落ち着いて」

額と頬が、規則正しい心臓の拍動を感じる。

硬直した意識が、柔らかく砕かれていく。

ミディアム

「あたしも、頭がわやくちゃになったときとか、あんちゃんにやってもらうんだ~」

ミディアム

「あんちゃんも、昔、人にやってもらったんだって」

スバル

「……落ち着く、感じがする」

ミディアム

「それじゃ、そのままでいいから教えて? スバルちんは、お外の何が心配なの?」

スバル

「それが、その……宿の外が、危ない状況になってる、気が、して……」

スバル

(;゚Д゚)

「ああ、そうなんだ。誰かが、俺たちを狙ってる、と、思う……」

🖤 禁忌に触れる

『――愛してる』

スバル

「実際に、俺たちが宿の外に出たら、そこで死ん――」

――瞬間、世界が静止した。

色が失われ、音が失われ、時間の流れが失われる。

動けない。動かない。動かれない。動かせない。

何故、禁忌に触れてしまったのかと、黒い影がにじり寄る。

何故、これを忘れてしまったのかと、闇色の細い指が胸に滑り込む。

何故、幾度も繰り返そうとするのかと、全てを塗り潰す声がやってくる。

『――愛してる』

心の臓を握られ、動かない肉体がズタズタに引き裂かれる。

――もう二度と、忘れるなと刻印される。

誰かに『死に戻り』は打ち明けられない。

類推させることさえ、口走れない。

――伝えようとすれば、あの手はスバル以外の誰かにも届きうる。

スバル

(´Д`;)

「あぶな、かった……」

ミディアム

(´・ω・`)

「ホントに? なんか、さっきよりもっと辛そうに見えるけど……」

スバル

「俺が辛いだけなら、状況的には一番マシってことだから」

⚡ 亀裂

変なことを言っても信じてほしい、と頼む

スバル

「外に出るなら気を付けたい。あと、すごく変なことを言っても信じてほしい」

タリッタ

「ですガ、スバルの言うことにも一理ありまス。ここは敵地と言ってもいい場所でス」

ミディアム

「そうそう、あたしもタリッタちゃんと同感! 気を付けようよ!」

アベル

(¬_¬)

「それが交換条件になると思うか? いずれにせよ、貴様はそれを明かさざるを得ん」

アル

「アベルちゃん、兄弟は判断材料を寄越すって言ってんだぜ」

アル

「兄弟が突飛なこと言い出すのは今に始まったことじゃねぇ。だろ?」

アル「ここで兄弟の意見を聞かねぇなら、兄弟を連れ回す意味がねぇ」

アル

(╬¬_¬)

「で、兄弟を蔑ろにしようってんなら、オレも気分はよかねぇよ」

――アルがアベルに肩入れする理由は、元々ない。

強いて言えば、主人であるプリシラがそれを望んでいるくらいか。

その希薄さが、ここで亀裂として顕在化している。

スバル

(>Д<)

「ケンカはやめろ! わかった、俺の負けだ! 降参する!」

🚪 裏口から

二度目の隠れ場所も、あっさり看破される

――そして、二度目の『瞼の裏』も、あっさり看破された。

アル

「兄弟は見事に、あの爺さんの居場所を言い当ててくれたわけだが」

アベル

「成果を出したことは評価に値する」

アル

「……そんだけ?」

アベル

「あと二回、オルバルトの居所を暴かなくてはならん。他に何がある?」

アベル「正面は避け、宿の裏口から出るぞ」

ミディアム

(・o・)

「あれ? アベルちん、それってスバルちんの言ったこと信じるってこと?」

アベル

「警戒するに越したことはない。ただそれだけの話だが?」

スバル

(;´Д`)

「……お前、本当に性格悪いぞ」

🕳️ ど忘れ

あってはならない忘れ方を、していた

アル

「ありゃどうやったんだよ。――何なら、攻略本でも読んだみてぇだったぜ」

スバル

「あれはただ、経験が活きたんだ」

アル

「経験? かくれんぼの?」

スバル

「似たようなもんだよ。前に……前に?」

あのお約束を、オルバルト以前にやったものがいたはずだ。

だから、はっきりと覚えていたはずで――

アル

(・∀・)

「ど忘れか? 物忘れってのは年寄りがするもんだろ」

アル

「あれじゃね? 兄弟の身内の誰か。銀髪の嬢ちゃんじゃねぇだろうし、いつも連れてるロリっ子……」

スバル「――ベアトリス!」

相棒であり、愛しい愛しい大精霊。

彼女が仕掛けた最初の悪戯が、怪老を見つける手掛かりになった。

――あれを手柄というなら、二人で勝ち取った手柄だ。

スバル

(;゚д゚)

「冗談はやめろよ……」

それがすっぽ抜けるなんて、あってはならないことだった。

⚠️ 百人近い

裏口の扉を開けた横顔に、警戒が宿る

タリッタ

( ゚д゚ )

「――スバル! アル! きてくださイ!」

裏口に回ったタリッタが、押し開いた扉から外を眺めている。

その横顔に、強い警戒が宿っていた。

タリッタ「――すでに囲まれていまス。おそらク、百人近い相手ニ」

第七章44『収縮する視野』終了。