リゼロを読む WEB版・初見向け解説
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206話

第七章102

『覚悟の壁』

戦場の『血管』を断ちにきた男と、断たれまいとする三人。

🍀 ケチのつき始め

抜け穴を潰しても、奥の手には勝てない

ひたすら『当然』を突き詰め、抜け穴を全部潰し、悲観的に考えて失策を減らす。

――それだけのことをやっても、考えの及ばない奥の手には手も足も出ない。

トッド「――このところ、とにかく運が悪い」

ケチのつき始めは、帝都から東の地への派兵の一団に編入されたこと。

――野営地近くの川を流されていた二人の男女。あの最悪の拾い物だ。

傑物と言われる存在は、自分だけの道を歩くしかないことを自覚している節がある。

――そんな中であの男だけは例外だ。凡庸なのに、異常だった。

それがヤバい。だから、機会があれば何が何でも殺そうとだけは考えた。

🩸 情報戦

――流れる血を巡らせる管が機能しなければ体は立ち行かない

集団の指揮官は頭か心臓だ。どちらも潰せれば致命傷だが、誰でも当たり前に守ろうとする。

――流れる血を巡らせる管が機能しなければ体は立ち行かない。

見た目は十代前半の女児が二人と、優男が一人。

――本来ならいるべきではない存在がいることが、そのままいなければならない存在だと疑わせる。

優男の目つきがおかしい。自分の命を平気で道具にする類の眼光が隠れている。

女児の片方は異様に肝が据わった目をし、もう片方は構えや立ち方に戦士の色がある。

――殺しの経験があるなら、それが女児だろうと覚悟の壁は乗り越えている。

トッド

「――お前さんたちも、時間をやらない方がいい奴らだってな」

🧠 手強い

――自分が弱いと思っている相手は脅威だった

情報戦の肝は、そもそも扱うための情報をどうやって入手するかにある。

――大抵の場合、その部分には目がいかず、情報を扱う本体を狙いたくなるのが人情。

しかし、目の前の男は違った。

疑問点は大きく二つ。どうやってチャンネルに引っかからずに現れたのか。

そして、どうやって居場所を特定したのか。

――おそらくその二つの疑問は、同じ理由が答えになっている。

多くを語らないことが、自分を守る術になると理解している。

――自分が弱いと思っている相手は脅威だった。

💥 七番

陰湿なぐらい周到な、仕込みが効く

ペトラ・レイテは逆境に置かれるたび、自分の研磨不足を悔しがる。

――いつでも期待された成果は挙げられなくてはならない。

オットー

(>﹏<)

「ペトラちゃん!」

オットー

( •̀_•́ )

「――七番!」

ペトラ

(・・・・・・)

「――スバル」

ペトラ「――ジワルド!」

ペトラのジワルドでは、火傷を負わせるのがせいぜいだ。――だが、それでいい。

男に火傷を負わせるのが目的ではない。――仕込みに、引火させるのが狙いだった。

「何が役立つかわかりませんから」と、陰湿なぐらい周到なオットーの構え。

――背後で地面が爆発を起こし、男の警戒がわずかに後ろへ移る。

🗡️ まだまだ

無傷の理想より、生き延びる現実を選ぶ

ミディアム

(╬゚Д゚)

「おりゃあああ――!!」

ミディアム「まだまだ! まだまだ! まだだだだ!!」

跳ね返された勢いでくるっと回転し、そのまま勢いを乗せて剣撃を放つ。

――まるで、増水した川の水みたいに勢いの止まらない剣舞。

オットー

「四番!」

ペトラ

( •̀_•́ )

「はいっ」

オットー

(・_・)

「必要なら、ミディアムさんごと巻き込みます」

ペトラ

(;´Д`)

「あとでちゃんと、治癒魔法かけるからっ」

ミディアム

(≧▽≦)

「うおおおお! よくわかんないけど、あたしは止まらない!」

――三人が無傷で切り抜ける理想よりも、三人が傷を負ってでも生き延びる現実が重要だと。

🥶 呆れ

込められていたのは、怒りではなく呆れ

トッド

(・∀・)

「おいおい、勘弁してくれ」

出鼻を挫かれたことへの怒りや焦りではない。込められていたのは、呆れだった。

トッド「考えることは同じか」

オットー

( •̀_•́ )

「二番!!」

ペトラの指が向く先は、今度は自分たちの足下だった。

――「痛いので使いたくはないですね」と前置きされていた、緊急避難用の仕込み。

オットーは、二人がばらけて支援できなくなる失態を防ぐことを選んだ。

――そして、せめて自分の体でペトラが受ける被害を最小限にすることを。

直前まで二人がいた場所で、あの炎が炸裂する。

――斧で斬り殺すと思わせ、本命は後ろに仕込んでいた炎だった。

👁️ そこと、そこ

仕込みの位置を、次々と言い当てられる

トッド

「あまりやりたくないんだがな」

トッド「そこと、そこ。それからそこだ」

六番、九番、一番、五番、八番と、立て続けに仕込みが爆発を起こしていく。

ペトラ

( ゚д゚ )

「ど、どうして……」

オットー

(;゚Д゚)

「……まさか、精霊?」

ペトラ

「でも、精霊なんてどこにも……」

トッド

(¬_¬)

「従わせる方法は一個じゃない。喰われたくないならって話もある」

オットー

「意趣返しじゃありませんが、聞く耳を持たない方がよさそうですね」

ペトラ

(╬¬_¬)

「あなたのこと、嫌いですっ」

ミディアム

(╬゚д゚)

「あたしもおんなじ意見!」

🪓 帝国流だ

三人の中で、一番読みやすいのは誰か

我慢に我慢を重ね、思い切った一撃は真っ直ぐ男に吸い込まれ――

トッド

「お前たち三人の中で、一番読みやすいのがお前さんだよ」

ミディアム

(×Д×)

「――ぁ」

トッド「お前さんだけ、帝国流だ。反吐が出る」

ペトラ

(>﹏<)

「ミディアムちゃんっ!」

💛 あんちゃんの教え

死んじゃった、と思いながらも慌てない

「妹よ! 僕たちは頭で考えるより、心で考える方がずっといい正解が引けそうだ」

縮む前の胸と、縮んだあとの胸のどちらにも仕舞ってある道しるべ。

「あ、死んじゃった」と思いながらも、ミディアムは慌てなかった。

――最善の行動をしたから、やるべきことを果たしたから、悔いはない。

自分の顔に突き刺さる寸前、分厚い斧の刃が火花を散らして弾かれる。

ミディアム「やっぱり、あんちゃんはすげえや。あたし、このやり方で一回も死んでないから」

🪖 星も見えねぇ

兎が別のものに化けたと、警戒する構え

アル

(´ー`)

「――おお、そりゃ羨ましいもんだぜ。オレなんてとても数え切れねぇ」

トッド

「お前さんは……」

アル

「調子いいとこ邪魔して悪ぃんだが」

アル

(・∀・)

「どこが一番やべぇかと思ってたが、灯台下暗しってのはこのことだ」

アル

「まったく、一寸先は暗闇すぎてガチで困るぜ」

兎相手にも手を抜かない獅子の構えではなく、兎が別のものに化けたのを警戒する狩人の姿勢。

アル「お先真っ暗ってのは手に負えねぇ。なにせ、星も見えやしねぇんだからよ」

第七章102『覚悟の壁』終了。