リゼロを読む WEB版・初見向け解説
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206話

第七章92

『因縁の再燃』

戦場に雪が降る。そして、それぞれの頂点で因縁が再び火を噴く。

❄️ ありえない光景

正しいか間違っているかの話は、場違いだ

正しいとか間違ってるとか、そういう話をここでするのは場違いなのだ。

――言えるとすれば一個だけ。

エミリア「――私が、すごーく嫌なの」

「なんだ、これ……」

生まれつき金属化した部位を武器に打ち直して戦う、刃金人たち。

――動かそうとした体がかじかみ、思うように動かない。

ヴォラキア帝国は一年を通して温暖な気候の続く国だ。

誰が警戒できるというのか。真昼の戦場で、凍える風が吹くことなど。

エミリア

( •̀_•́ )

「みんな! ここから離れて! ここは私がすごーく頑張るから!」

⚔️ 高みと高み

二度目の顔合わせが、始まる

マデリン「――また、お前だっちゃか」

エミリア

(・∀・)

「ええ! また私よ、マデリン! 通りすがりの精霊術師、エミリー!」

怖じないやり取り、それだけで刃金人たちは理解する。

――自分たちと、この二人とが立っている舞台の違いを。

始まるのだ。ただ強靭に生まれついただけでは至れぬ領域の戦いが。

マデリン

(╬゚д゚)

「腹立たしい娘だっちゃ。この間の戦いで、竜には勝てないと――」

エミリア

「――えい!」

城のように大きな氷塊が天墜し、その姿が轟音と共に氷片の彼方に呑まれた。

🤲 託された想い

先に当たった人が危ない、と反発する

アベル

「先に当たった叛徒らから、敵の戦力配置を割り出す」

エミリア

「それじゃ、先に当たった人たちが危ないじゃない! そんなの絶対ダメよ!」

オットー

「エミリー、どこへゆくべきかは僕が指示します。――当てがあるので」

ペトラ

( •̀_•́ )

「大丈夫、エミリー。わたしに任せて」

ガーフィール

(・∀・)

「エミリー! 俺様ァ、こっちだ! 風穴、ぶち開けてッやろォぜ!」

フレデリカ

「スバル様のため、無茶はしすぎませんように!」

ベアトリス「悔しいけど、ベティーの代わりに頼むのよ」

ベアトリス

(´ー`)

「スバルのことで、ベティーの次に頑張れるのはエミリアかしら」

エミリア

「ええ、ホントに、そうだって信じたい」

🥶 戦うどころじゃない

みんなから聞いた話が、作戦になる

ヴォラキアは暖かい国なので、寒いのが苦手な人が多いとはペトラの意見。

空を飛んでいる飛竜も寒さには弱いと、動物好きのオットーからも聞いた。

寒くなると丸くなりたくなるとは、ガーフィールとフレデリカの姉弟の意見。

エミリア「すごーく寒いときって、みんな戦うどころじゃなくなっちゃうのよ」

かつて、燃えてしまう前の屋敷でパックが起こした、雪景色の記憶。

――そのときの経験と知識が、しっかりと活きた。

エミリア

「私も、できたらちゃんと話してわかり合いたいけど、時間がなくて」

指がかじかんで武器が取れなくなり、膝が震えて技なんか一個も使えない。

――それでもまだ戦おうと、強い体と心で訴える人の相手は。

エミリア

( •̀_•́ )

「――私が相手よ!」

🧊 えい! えいや!

芸がない、と言われながら続ける

マデリン

(¬_¬)

「芸がない奴っちゃ」

甲高い音が響き渡って、巨大な氷が縦に真っ二つに割れる。

マデリン

「あれだけ痛い目を見ても、何も変わらないか、半魔……」

エミリア

(╬¬_¬)

「私とプリシラがもうすぐ勝てそうだったはずよ。嘘言わないで」

マデリン

(╬゚Д゚)

「――ッ、竜を侮るんじゃないっちゃ、半魔!」

エミリア「えい! えいや! まだまだ! そや!」

十や二十、五十や百と生み出される氷が城壁へと降り注ぐ。

――礫なんてほど可愛げのない氷の嵐だ。

マデリン

「調子に! 乗るな――ッ」

当てるのはエミリアの狙いではない。躱されること前提の、時間を稼ぐ攻撃。

エミリア

「みんな、離れて! 私とマデリンが戦うと、周りが危ないから!」

🌀 巻き添え

戻ってくる刃は、味方も刈り取っていく

旋回する飛翼刃は轟音と共に戦場を巡り、恐ろしい精度で戻ってくる。

――途上を薙ぎ払う死の旋風は、エミリア以外のものも容赦なく刈り取る。

エミリア

(>﹏<)

「う、やぁ!!」

跳ね上げた足で刃を蹴り上げる。衝撃が全身の骨を軋ませるも、やせ我慢。

マデリン

「終わると思ったっちゃか」

蹴り飛ばした飛翼刃を掴み取って、そのまま振りかぶっている。

――避けたら周りのみんなが危ない。

エミリア「アイスブランド・アーツ!!」

一本目は呆気なく砕ける。だが、反対の手で二本目、なくした手で三本目。

砕かれながらも諦めず、氷剣連撃が唸りを上げる。

🧑‍🤝‍🧑 一人じゃない

あの女はどうした、と聞かれる

マデリン

「お前だけだっちゃか。あの女はどうした」

エミリア

「それがプリシラよ。私がエミリー。プリシラは、会いたい相手がいるって」

エミリア

(;´Д`)

「あ! ええと、ペトラお嬢様の! 騎士、かも!」

エミリア

「ううん、嘘。スバルは私の騎士なの。騙してごめんなさい」

マデリン

(╬゚д゚)

「そもそも、そんな話聞いてもいないっちゃ!」

マデリン

「一人ずつ、竜をコケにしたお前たちを血祭りに上げてやる」

エミリア「プリシラはいなくても、私は一人じゃないわ!」

体ごとぶつかって攻撃を邪魔する、氷でできたナツキ・スバル。

マデリン

( ゚д゚ )

「な……!?」

エミリア

「えいやぁ!!」

🌫️ わっちの役目

玉座を手放してまですることではない

ヨルナ

「あえて自ら小火を起こし、平穏で緩んだ思考の引き締めにかかる……」

いかにも皇帝のやりそうなことだが、自ら玉座を手放してまですることではない。

ヨルナ

「わっちの愛し子たちと、閣下の愛した帝国の地で生きる民」

ヨルナ「――偽の皇帝の築く未来より、真の皇帝の維持する安らぎを望むでありんす」

『魂婚術』を無機物に付与し、意のままにする技法。

――ただし、長く想いを染み込ませた魔都と違い、帝都の土の動きは鈍い。

ヨルナ

( •̀_•́ )

「万全の状態でなくて申し訳なくありんすが、主さんの相手はわっちでありんす」

アラキア

(・・・・・・)

「――ヨルナ」

🌞 子離れ

揺るがなかった仮面が、途端に崩れる

アベル

「誰ぞの入れ知恵があったか、アラキア」

プリシラ「なんじゃ、母上。一度死んでなお、まだ子離れできぬままか?」

ヨルナ

「プリスカ、主さんがわっちを許せないのは当然でありんすが……」

プリシラ

( •̀_•́ )

「生憎、その名を冠した娘は死んだ。妾はプリシラ・バーリエルである」

ヨルナ

「――。この場はわっちに任せると、アベルが話していたはずでありんしょう」

プリシラ

「妾はアベルの言いなりにならぬと、それも同じ場で話したはずじゃ」

ヨルナを前にしても揺るがなかった仮面が、プリシラを目にした途端に崩壊した。

――それは紛れもなく、二人の間に特別な関係があった証左であり。

🗡️ 姫様を取り戻す

心は決まったか、と正面から問われる

プリシラ

「アラキア、貴様の心は決まったか」

アラキア「姫様を、取り戻す。――閣下を殺して、姫様が、本物の皇帝」

プリシラ

「『選帝の儀』の正式な決着を望むか。それもよかろう」

空いた手を空に掲げ、空間から紅の宝剣を抜き放った。

――ヴォラキア皇帝のみが扱うことを許される『陽剣』。

かつて、その真紅の宝剣を振るった愛しい男が、瞼の裏に蘇った気がして。

プリシラ

(¬_¬)

「見惚れている場合ではないぞ、母上」

ヨルナ

「どうしてそのような育ち方をしたでありんすか」

プリシラ

「あれは妾の乳兄弟じゃ。母上の亡きあと、妾と姉妹同然に育った」

プリシラ

「今は、妾を玉座に座らせるのが目的であるらしい」

プリシラ

「くるぞ」

アラキア

(╬゚Д゚)

「姫様を取り戻す、わたしの力で!! ――そう、教えてもらった」

🧭 悪さを働いてる奴

崩れるはずの第一陣が、立て直されている

トッド

「――最初の一手が効いたのは間違いないが」

総崩れになるはずの第一陣が、後続の第二陣に吸収され、立て直しを図っている。

――よほど、目端の利く指揮官が第二陣にいるのだろうと、そこまで考えて。

トッド

(¬_¬)

「まさか、遅れて到着したのも策の内か?」

血が上った頭を冷まさせられた挙句に、話に耳を貸さない邪魔者を根こそぎ喪失。

トッド

「馬鹿ばかりの先鋒より、第二陣の方が本命か」

悪魔的な敵の頭脳に、遠くまで見通す目と耳と、小器用な手足までついてきている。

――真に戦争において厄介な敵は、もっと他にあるとトッドは考える。

トッド「――悪さを働いてる奴を、片付けなきゃいけないな」

第七章92『因縁の再燃』終了。