リゼロを読む WEB版・初見向け解説
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206話

第七章82

『反乱側の思惑』

『ナツミ・シュバルツ』の名が届いた瞬間、ラムは杖を抜いた。

🪄 制圧

ここにいると示した判断は、称賛に値する

セリーナ「――究極、私の身柄を押さえればドラクロイ領の動きを封じられるか」

セリーナ

(・∀・)

「やはり、いい奥方を迎えたじゃないか、ロズワール」

ロズワール

(;´Д`)

「……もう何度目の訂正か数えるのも面倒が、ラムは私の従者だーぁよ」

ロズワール

「ラム、一応聞いておくけれど、この暴挙の理由は……」

ラム

(・_・)

「――ナツミ・シュバルツです」

ロズワール

(´ー`)

「だーぁよね」

自分はここにいると、そう示したスバルの判断力は珍しく称賛の要素しかない。

――問題があったとすれば、その狼煙が上がった『側』だ。

🚩 反乱軍

探し人が、どちら側にいるのかが判明する

セリーナ「――反乱に与する『黒髪の乙女』、ナツミ・シュバルツがお前たちの探し人か」

ラム

「厳密には、そちらはラムにとっておまけです」

セリーナ

(¬_¬)

「だが、ロズワールにとってはそうではない」

セリーナ

「そしてそれは、お前には殊の外大事なことのはずだ」

ロズワール

「まさか、反乱軍側とは……」

良くも悪くも、こちらの思惑通りに運ばないのが如何にもスバルらしいが。

ロズワール

「ラム、君もスバルくんの悪い影響を受けてやしないかーぁい?」

ラム

(╬¬_¬)

「心外です。ラムの行動に、バルスが影響することなんて吐息一つ分もありません」

ロズワール

「そもそも、この状況が彼の動きを受けてのものだというのに?」

ラム

「ロズワール様、セリーナ様とお話を」

🐉 制空圏

当代最強の部隊が、どちらに付くか

ロズワール「君の有する自慢の『飛竜隊』が、あっという間に反乱分子を焼き尽くしてしまう」

飛竜を従え、意のままに飛び回る帝国最高峰の攻撃部隊。

――制空圏とは、戦況を押さえる究極の一手だ。

ドラクロイ伯は先代以前からその方向性に優れ、当代で最強の『飛竜隊』を有する。

セリーナ

「ここで永遠に私と睨み合うだけにもいくまい? どう従える?」

ラム

( •̀_•́ )

「セリーナ様、ご家族は?」

セリーナ

(・∀・)

「縁者を探すなら無意味だ。ロズワールに振られてから良縁がなくてな」

ラム

(╬¬_¬)

「ロズワール様?」

ロズワール

(;´Д`)

「冗談を真に受けない。セリーナ、悪ふざけしてる場合じゃないんだ」

ラムはプレアデス監視塔の出来事を強く悔やんでいる。

――離れ離れになったのは自分の落ち度だと責めているのだ。

🤝 一緒に

思いがけない誘いに、声が漏れる

ロズワール「――ここは一つ、君も私たちと一緒に反乱軍に与してみないかい?」

セリーナ

( ゚д゚ )

「は」

ロズワール

「目的が同じとなれば、ラムが杖を向けている理由もなくなる」

セリーナ

「我が領地は皇帝閣下から安堵されているのに、事を荒立てて何の得が――」

ロズワール

(¬_¬)

「――皇帝閣下に不満はない。本当にそうかい?」

『誰かと話してるときは、話してる相手の顔をちゃんと見て話すの!』

思いがけず、その言葉に背中を押された気分になりながら。

🕊️ 空は自由か

一昨年の一件が、今も尾を引いている

ロズワール

「――一昨年の暗殺未遂、『九神将』が加担したと噂の一件、それが尾を引いていると」

ロズワール

「命を落とした『九神将』が飛竜乗り……それも、君の配下だった人物とも聞いた」

セリーナ「――バルロイ・テメグリフ」

セリーナ

「杖を下ろせ、ラム。それがなくても話はしてやる」

ロズワール

「ラム、彼女の言う通りに。セリーナは言葉を違えないよ」

セリーナ

「自由と思うか? この空が」

セリーナ

「帝国は水も土も空気も、人の血肉さえも全て皇帝閣下の所有物だ」

セリーナ

(╬゚д゚)

「それは空さえも例外ではない。――誰が口を割った?」

ロズワール

「誰、と限定するのは難しいんじゃーぁないかな。なにせ、皆が思っていることだ」

バルロイが皇帝に刃を向けたことで、彼を推したセリーナの立場も悪くなった。

――帝都の覚えは悪く、挽回の機会を与えられることもない。

🐲 飛竜将

後任の素性が、驚くべきものだった

ロズワール「――『飛竜将』マデリン・エッシャルトとは、当てつけのような人選だーぁね」

セリーナ

「従軍経験なく、宰相の推薦で一将へ成り上がった存在、その素性はなんと驚きの竜人だそうだ」

セリーナ

「わざわざ手間暇かけて乗り手を育てる飛竜乗りなど、迂遠の一言だろうさ」

ラム

(¬_¬)

「それは、飛竜隊を有するセリーナ様の立場がありませんね」

セリーナ

(;´Д`)

「おっと、私の飛竜隊を侮ってくれるなよ。乗り手が不要というのも善し悪しだ」

セリーナ

「飛竜乗りには戦術への理解と応用がある」

セリーナ

「もっとも、件の竜人はそれも数の暴力で押し潰すそうだがな」

ラム

「その屈辱に甘んじるかは、話が別では?」

セリーナ

(・∀・)

「――。いちいち、私の腹の底をくすぐる物言いをする」

ラム

(・∀・)

「恐縮です」

🐾 すでに決めていた

誘導する必要など、最初からなかった

セリーナ「――これでも、お前たちのいる間は波風を立てるつもりはなかったんだぞ?」

父親から家督を奪う前に見せた、野心的な笑み。

――しかし此度、その笑みが向く先は。

反乱に与する方向へ誘導する必要などなかった。

すでにセリーナは立ち位置を決めていて、彼女なりに配慮したのだ。

――何も知らず、尋ね人をしにきた旧友を巻き込むまいと。

セリーナ

「今回ばかりは気の利く嫁を迎えたことを恨むがいい」

セリーナ

「安心しろ。お前の素性を明かせば、王国との内通を疑われる」

セリーナ

「そうなって二正面作戦など正気の沙汰ではない。やるなら勝ち目のある戦いをする」

ラム

「ロズワール様、もしかして……」

ロズワール

(;´Д`)

「ああ、まんまと獣の狩場に踏み込んだよーぉうだ」

セリーナ

「だが、旧友から一緒に戦おうと誘われては是非もないな」

ロズワール

「白々しい……」

🔥 燃え広がる

その火の手に、心当たりはあるのか

セリーナ「一度、大きく火の手が上がれば一挙に燃え広がるぞ」

ロズワール

「……その火の手、君は心当たりがあるのかーぁな」

セリーナ

「どうだろうな。お前の方こそ、思い当たる節があるんじゃないか?」

放置しておけば只事では済まさないだろう特異点に、心当たりがある。

――彼であれば、どんな苦境に陥ろうとどうとでも切り抜ける。

ロズワール

「――帝国全土を燃え上がらせることも、あるのかな、スバルくん」

誰かの欠けた未来など、全てを拾い切ると決めた彼には受け入れ難いモノ。

――ならばせめて、その試行回数が減るよう、動くだけ。

自分の望まぬ形になっていると、スバルに気付かせなければいいだけの話だ。

⏳ もどかしさ

酒を飲んで親交を深める、という自然な営み

セリーナ

「お互い、同じ目標に向かってより強い団結力を養う必要が生まれた」

セリーナ

「だから、酒を飲んで親交を深める。挑む相手を思えば、ひどく自然な営みだろう」

ラム

「ロズワール様、城郭都市には」

ロズワール

「位置的には、東から攻めるエミリア様たちの方が近い」

ロズワール

「もちろん、君にはもどかしいだろうが」

ラム

(・・・・・・)

「……いえ」

広い帝国での人探しには、ある種の心を押し殺した合理性が求められる。

ロズワール「だからこそ、待つとしよう。彼女の言うところの、火の手が上がるのを」

ラム

「――はい」

📣 合流宣言

――ひと際早く、反乱軍への合流を宣言したのがドラクロイ上級伯であり

――数日後、セリーナ・ドラクロイが言うところの『火の手』が上がる。

皇帝の御子を旗頭とする反乱軍の勢いは、一挙に帝国全土に燃え広がった。

――ひと際早く、反乱軍への合流を宣言したのがドラクロイ上級伯であり。

勇ましい女領主の傍らには、見知らぬ美丈夫と可憐な従者が控えていたとされる。

第七章82『反乱側の思惑』終了。