リゼロを読む WEB版・初見向け解説
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206話

第七章63

『スパルカ』

四人一組、剣は二本、獣は一頭。――そして、開始の合図は総督のものではなかった。

🎲 四人一組

組まされた顔ぶれを、確かめる

グスタフ

( •̀_•́ )

「――これより、諸君にはこの島の剣奴となるための資格があるか、試させてもらう」

・薄汚いボロを纏った、灰色の鱗の蜥蜴人

・裸の上半身と剃った頭に刺青の入った、痩せた男

・錆色の髪を伸ばした、精悍な顔の若者

・そして、縮んだままのスバル

「待て、グスタフ総督! こんな子どもを人数に加えて? それは冗談ではないぞ!」

「そうだぜ! ガキが何の役に立つ!? こっちゃ命がかかってんだ!」

「仮にその子どもを加えたとしても人数不足だ。五人一組と、そう話していたはずだろう!」

グスタフ

(╬゚д゚)

「――沈黙せよ。本職の話を遮るならば、それは皇帝閣下の意を遮るも同然である」

❓ 何ができる?

特技は何か、と味方から詰められる

「見たところ、ただの貧相な子どものようだが、何ができる? 特技は? 魔法は?」

スバル

(´・ω・`)

「や、役立つ特技……」

――縮んでからは鞭もまともに扱えず、魔法も相棒がいなくては役立たず。

細々とした小技も、この体ではまともに使えない。

「本当に、ただの子どもなのか……なんてことだ」

「ひ、ひひ、ガキがいる上に人数も足りねえ。終わりだ、終わり!」

「でかい声を出すな、鱗野郎。オレを怒らせて、死にたいのか……?」

「私は、ここにくる前はやんごとなき方に仕えた戦士だった! 私の指示に従えば……」

グスタフ

(・・・・・・)

「この剣奴孤島で流れる血の一滴までも、帝国の繁栄のためにこそ使う。一滴までも」

🗡️ 大小二本

渡された二本は、大きさが揃っていない

壁の向こうには階段状の観客席。座る人影は、とても大人しくしている。

――あの融通の利かなそうな大男が、剣奴の下品な態度を許すとは思えなかった。

「――あれは剣、か?」

右の剣は小さいが、左の剣はあんまりにも大きすぎた。

――それこそ、総督が使うための剣ではないかと疑いたくなるくらいに。

「まずは武器の確保が最優先だ。ただし、使えるのは右の剣だけだ」

「あの巨大さだ。武器を手に入れ、剣闘獣の目を狙うしかない」

「開始の宣言があったら、私はあの剣の確保へ向かう」

スバル

(>﹏<)

「ち、近付けるなって、どうすれば?」

「声や音を出して注意を引けばいい。そのぐらい自分で考えろ!」

⏱️ 本当の開始

――あれが、ライオンにとっての本当の開始の宣言だったのだ

グスタフ

(╬゚Д゚)

「――では、『スパルカ』を開始する!!」

――走り出そうとした錆色髪に足払いがかけられ、蹴り飛ばされる。

「言ったはずだ。他人に命を預ける気はない……」

「お、俺は御免だ! 死んで、死んでたまるかよぉ!」

一人は仲間を出し抜き、一人は壁に化け、一人は倒され、一人は混乱する。

――だが、剣闘獣は動かない。開始が宣言されていないみたいに。

剣を抜き取り、颯爽と振り返る男の首から上が、前足に刎ね飛ばされる。

――あれが、ライオンにとっての本当の開始の宣言だったのだ。

頭突きが逃げ遅れた蜥蜴人の下半身を押し潰す。

壁と同じ色に化けていても、中身はそのままなのだと、ぼんやり思った。

💔 一度目

後ろにいろと言った手が、前へ突き飛ばす

「私の後ろにいろ」

――だが、その手はスバルの肩を掴み、前へ突き飛ばした。

「嫌だ、死にたく、死にたくない――っ!!」

セシルス

(´ー`)

「すみません、僕の見込み違いだったみたいです」

セシルス

(・∀・)

「一応、連れの子が起きたら伝えたいこととかあります?」

スバル

(╬¬_¬)

「だい、嫌いだ……」

スバル「帝国、なんか、大嫌い、だ」

セシルス

(≧▽≦)

「――ええ、ええ、確かに。しっかりと覚えて伝えておきますよ、バッスー」

――大口が開き、頭から丸呑みにされた。

🤥 見栄

嘘を暴いても、何もいいことはなかった

――全身が体当たりを、噛み砕かれる恐怖を、投げやりな怒りを思い出す。

思い出したら、とても立っていられない。

スバル

( ゚д゚ )

「――嘘だ」

スバル「戦士なんて、嘘だ。あんたは嘘っぱちを言ってる!」

スバル

(;´Д`)

「こんな状況で、見栄なんか張ってどうすんだよ!」

「おい、その小僧の言葉は本当か? オレを謀ろうとしたということか?」

――口を挟んだせいで、このチームはまたしても空中分解した。

あそこで嘘を暴いても、何もいいことなんてなかったのに。

🤝 剣を投げろ

引き付ける役と、剣を投げる役に分かれる

「……まだ、生きる気はあるか、小僧」

「生きる気があるなら、剣を拾え」

「あの化け物はオレが引き付ける……お前は剣を拾って、オレに投げろ」

「指二本足りなくても、オレの方が小僧よりマシに使える……」

スバル

( •̀_•́ )

「俺も、諦めたく、ない……」

「……お前は、詐欺師と臆病者よりマシだ」

ヴァイツ

(・_・)

「ヴァイツだ……」

スバル

( ゚д゚ )

「……え?」

ヴァイツ「オレの名前だ、シュバルツ」

――剣は届いた。だが、振りかぶった顔が後ろ足の蹄に粉々にされる。

🦁 獣は本能で狩る

なぜ最初に殺されなかったのか、を考える

スバル

(・・・・・・)

「あのライオンは、なんでさっき俺を殺さなかったの?」

セシルス

(・∀・)

「それは簡単ですよ、バッスー。――たとえ獰猛であろうと獣は獣」

セシルス

「なれば、獣は本能によって狩りをするのみ。本能とはすなわち、生きる力です」

スバル

(・_・)

「……どういうこと?」

セシルス「バッスーがあの獣なら、誰から狙いますか?」

――もしもスバルがライオンなら、『危ない奴』から狙いを付ける。

例えばこの場所では、武器を持っている奴を。

スバル

(;゚Д゚)

「――ぁ」

腑に落ちた直後、前足が振り下ろされる。

――ぐしゃり、自分が潰れる音を、初めてちゃんと聞いた。

📣 ヴァイツ!

名乗られていない名前を、呼んでしまう

――あの、地獄のような十秒間。

あれがあったから、ほんの数秒の大切さが身に染みてわかっていた。

スバル「ヴァイツ! そいつを押さえてくれ!」

ヴァイツ

(゚д゚ )

「なに……?」

――一度も名乗っていないのに、名前を知られている。

その困惑が、行動を止める暇を奪った。

⚔️ 誰を狙う

小さい手が、剣を強引に掴み取る

スバル「――ライオン! 誰を狙う!?」

小さい手が、地面に突き刺さった剣を強引に掴み取る。

――号令を待たず、剣闘獣が吠え、猛然と突っ込んでくる。

内臓が震えるような恐怖がある。

――負けない、逃げない、泣きもしない。

スバル「ガキだからって、すぐ泣いて投げ出すと思うなぁ!!」

――決意の瞬間、強烈な前足が三度目の命を猛然と吹き飛ばしていった。

第七章63『スパルカ』終了。