第七章61
『ようこそ、剣奴孤島へ!』
目を覚ました先は湖に囲まれた島。そして枕元で笑っていたのは、青い髪の少年だった。
🤏 小さい
最後の瞬間に手を伸ばした先は、光ではなかった
――暗く、冷たい場所に置き去りにされた感覚だった。
不自由の鎖で全身を縛られながら、手当たり次第に救いを求めて手を伸ばした。
だが、最後の瞬間に白い光へ手を伸ばした理由は違った。
――光ではない。悲愴な決意を秘めた表情の、少女だった。
救いを求めたのではない。救わなくてはと、そう思ったのだ。
( ゚д゚ )
「――小さい」
(´・ω・`)
「戻り損ねた……」
何度も『死』を積み重ねた上に、勝者の栄冠をもぎ取ったはずだった。
――そのために、いったいどれだけの犠牲を払ったことか。
⚡ 青き雷光
焦らずどんと構えろ、と声をかけられる
「――まあまあ、そう焦らずにどんと構えましょう」
(゚Д゚)
「うおわぁ!?」
(・_・)
「……お前は、誰だ? ここはどこなんだ?」
(ノ≧∀≦)ノ
「――ああ、実にいいですね! その質問最高ですよ!」
「黒い湖を渡り、この島――剣奴孤島ギヌンハイブに辿り着いた……」
「素敵な予感の渦巻く目つきの悪いあなたに!」
(≧▽≦)
「僕こそはヴォラキアの『青き雷光』。――この世界の、花形役者です」
「――ヴォラキア最強って、子どもなの?」
🧠 頭が弱くなってる
体よりも深刻なのは、中身の方だった
肉体的な影響はわかりやすい。腕力も脚力も、思春期前に逆戻りだ。
――だが、はるかに深刻なのは中身の方に出ている影響。
「たぶん、頭が弱くなってる……」
同じ机でも、引き出しを開ける力が弱い。
高いところにある引き出しには、手が届かなくなっている。
――幼児化前は慌ただしさと責任感で堪えられた。
どうやら子どもの体は、涙の防壁まで低くなっているらしい。
(´;ω;`)
「……泣くな泣くな。馬鹿か俺は。いや、馬鹿だ俺は」
🗣️ 話を聞け
愛称で呼ばれる経験が、なかったらしい
「だーかーら! 問題ないないですって」
「そうそう! 他にも聞きたいことは山積みの興味津々なんです!」
(>Д<)
「――話を聞け!!」
(・∀・)
「あれれ、もしかして僕またやっちゃいました?」
「……お前、本物の『青き雷光』?」
「出た! また言われました! それ毎回の如く言われる!」
「僕の素性の真贋を言い合っても時間の無駄。次の話題にいきましょう!」
「その方がずっと建設的ですよ、僕は壊す専門ですけど!」
「ええと、セッシー、ちょっと聞いていい?」
(゚∀゚)
「セッシー! なんですそれ、もしかして僕ですか?」
「思い返すと愛称で呼ばれる経験もありませんし、味わい深い新鮮味ですねえ」
🌊 黒い湖
魔都とは、帝国の正反対の端だった
「で、話は戻るけど……ここって、カオスフレームじゃないんだよね?」
「魔都ですか? ええ全然違いますよ。むしろ帝国の中だとちょうど西と東で正反対!」
「言った通りここは剣奴孤島ギヌンハイブです」
(;゚Д゚)
「まさか、デスゲーム会場……?」
「ああなるほど! では理解の早いこと! まさしくここは『ですげえむ会場』です!」
(゚Д゚ ;)
「馬鹿げてる! そんなの……そんなの、何かの間違いだ!」
「ええ、湖です」
「見える範囲、全部黒い湖……」
「対岸と行き来するには一本だけある跳ね橋を『上げる』しかありません」
「まさしく天然の要害あるいは監獄!」
🎭 花形役者
なぜそんなに楽しそうなのか、と尋ねる
(¬_¬)
「なんで、そんなに楽しそうなんだ?」
「そんな僕の下へ吹き込んだ血の香りとは異なる予感を携えた新風!」
「となれば話が動かないなんて嘘でしょう」
「そうでないと面白くない。花形役者を舞台袖で飼い殺しにしておくなんて……」
「まともな筋書きではありえない冒涜ってもんですよ!」
――ヴォラキア最強の『青き雷光』は、物語脳ということになるではないか。
🩹 治癒術師はいない
一人ではなかった、という話を確かめる
「本当なんだよな? 俺が一人じゃなかったっていうのは」
「小さい女の子でしたよ。大体、バッスーと同じぐらいの……」
「――ルイ」
「その答えが出ないうちに、お前を放り出すつもりはないんだ」
「治癒室です。死体部屋なんて呼ばれ方もしてますね」
「な、治す部屋なんだよな? 治癒術師は?」
「癒者ぐらいいますけど、そんな貴重な魔法の使い手なんていませんよ」
「置いたら死者は減るでしょうけどそれは島主の方針と違いますから」
🦌 二本の角
そこにいたのは、探していた子ではなかった
(>﹏<)
「――っ、ルイ!」
――そこにいたのは、ルイではなかった。
小さな頭に目立ちすぎる二本の角と、肩口で揃えられた亜麻色の髪。
(゚д゚ )
「……た、タンザ?」
「なんで、なんでこの子がここに……?」
「あれれ? もしかして僕また何かやっちゃいました?」
(╬゚д゚)
「話が違う! 俺は、ここにルイがいるって聞かされて」
「僕はバッスーと一緒に島に上がった女の子がいるって説明したはずですよ」
(´・ω・`)
「ルイは、どうなる……」
――正体を話したことで、アベルやアル、ミディアムは彼女を危険視している。
そして、正体を隠しておく理由が見つからない。
「レムのところに、連れ帰らなきゃいけないのに」
☠️ 呪いの規則
島に上がった時点で、剣奴の一人になる
「違ったよ。違ったけど、置いていく理由もないだろ?」
「それに、ヨルナさんだってこの子を探してるはずだ」
「意気込みと考えは立派と思いますが、さっきも言った通り難しいと思いますよ」
「最大の問題はもっと別の場所に。呪則ですよ、呪則」
「呪いの規則、すなわち『呪則』。この剣奴孤島を支配している島主の敷いた決め事」
(;´Д`)
「じ、じゃあ、誰もここから出られないってのか?」
「そうでなかったら僕だってとっくにここから出ていってますよ」
「その島主? っていう人が、呪いをかけてるのか?」
「手違い間違い人違いだろうと島に上がって呪印を刻まれた時点で剣奴の一人ですよ」
❓ 何も知らない
頼れるはずの立場を、当てにしてみる
( •̀_•́ )
「……そう、だ。そうだ! セッシー! お前、『九神将』なんだろ!?」
「だったら、外と連絡とか取れるんじゃないか?」
「あのですね、バッスー」
「あ、ああ、なんだ?」
「実は僕、なんで自分がここにいるのかよくわかってないんですよ」
「たぶん何かしらの展開で物語が動くと思うんですけど、それがバッスーじゃないかってね」
第七章61『ようこそ、剣奴孤島へ!』終了。
スバル
セシルス