リゼロを読む WEB版・初見向け解説
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206話

第七章48

『思惑絡み合いし魔都』

有角人種はタンザを取り返しに来ていた。――そして、隠し続けた秘密が口から出る。

🩹 治っている

手当てをしようとして、手が止まる

スバル

(>﹏<)

「傷は!? 手当てしなくちゃ……!」

ルイ

「あう! あーうー!」

血が滲んだ形跡はある。だが、傷跡らしいものが見当たらない。

スバル

( ゚д゚ )

「治って、る……?」

――暴れ回ったあの力は、砂の塔で見たのと同じモノ。

ルイ由来の力ではなく、他の誰かから奪った力そのもの。

つまり、彼女が使ったのは『暴食』の――

🗡️ 圧迫面接

襲ってきた理由が、ようやく口から出る

アベル

「――答えよ。タンザはどこにいる」

アベル

(╬゚д゚)

「これで三度だ。答えよ。よもや、四度目があると思うな」

「し、知るはずないだろ! タンザの居場所なら、あなたたちが……!」

「あなたたちがタンザを……だから! 僕たちはこうやって!」

喉笛へ伸びた指が届くより早く、小さな掌が額を押さえ込む。

ルイ

「あう!」

少年の頭が後頭部から地面に叩き付けられ、昏倒した。

――瞬きの間に消え、別の場所に現れる。

砂の塔でも見せた、『暴食』の短距離ワープだ。

🦌 忌まれた過去

この都市の在り方が、救済である理由

スバル

( •̀_•́ )

「全部一人でわかってないで、ちゃんと説明してくれよ! 俺たちは仲間だろ!」

アベル

(¬_¬)

「――仲間だと?」

ミディアム

(╬¬_¬)

「そうだよ、アベルちん。あたしたちは仲間なんだから、教えてくんなくちゃ」

アベル

「宿への刺客とこのものら、全員が有角人種だ」

アベル「有角人種には迫害の歴史がある。角が魔獣と類似すると、忌まれた過去だ」

――同じような理由で迫害された少女を、スバルは知っている。

出自と容姿が悪い魔女と似ているというだけで、嫌な思いをさせられてきた人を。

アベル

「角を有することで迫害された歴史を持つものたちにとって……」

アベル

「この都市……カオスフレームの在り方は救済だ」

💞 手放さぬ

みんな辛そうな顔をしていた、その意味

アベル「ヨルナ・ミシグレは、己の懐に入れたものを決して手放さぬ」

アベル

「以前も、死した鹿人の娘一人のために反乱を起こしたほどだ」

スバル

(゚д゚)

「じゃあ、いい奴じゃん……!」

アベル

「たわけ。そのように易く括れたものか」

アベル

「あれは自身を愛したものに肩入れする。その円環の外にいるものには容赦せぬ」

ミディアム

(・∀・)

「え~、でも、好きな人に優しくするのは当たり前だと思う!」

スバル

「俺も思う」

アベル

「有角人種らにとって、ヨルナ・ミシグレを反乱へ加担させんとする俺たちの存在は……」

アベル

「踏み固めた地盤を揺るがす見逃し難い敵ということだ」

――投げるときも、少年は苦しげだった。

襲いかかってきた人々は皆、辛そうな顔をしていた。

追い払うことの罪悪感と、居場所を失うことへの不安。だから、謝ったのだ。

🧩 児戯の隠喩

危害を加えていないのに、消えたのはなぜか

アベル

「事実としてこちらはタンザに危害を加えていない。ならば、あの娘はどこに消えた?」

アル

「――事前に、あの嬢ちゃんが言い含めてたってこったろ」

アル

「嬢ちゃんの仲間たちは、そもそも嬢ちゃんが宿から出てきたとこを見てねぇんだろうよ」

アベル

「それも道理だ。故に、俺たちが宿を離れるまで強硬手段に出ようとしなかった」

スバル「タンザが宿屋の外に出てないんなら、どこかに隠れてる」

スバル

「――それにオルバルトさんが協力してるってことだな!?」

アベル

「わざわざ逃げ隠れの児戯を挑んできた。あの老翁の好みそうな悪辣な趣向だ」

ミディアム

「見つけられるもんなら見つけてみろ~、ってこと?」

アベル

「そうだ」

――『かくれんぼ』の提案自体が、タンザを隠したことの隠喩だったのだ。

スバル

(>﹏<)

「でも、そのせいで俺たちが襲われたんなら、ルール違反じゃないかよ!」

アベル

「彼奴ならば、『自分は手を下していない』と言い逃れるだろうよ」

🕯️ オドの盛衰

知恵の巡りまで拙くなりつつある、と指摘される

アベル

「――。本格的に知恵の巡りが拙くなりつつあるか」

スバル

(;´Д`)

「元々、頭がいい方でもねぇってのに……」

アベル

「貴様の場合、理解力と発想力まで落ちているのが問題だ」

アベル「一説には肉体はそのもののオドの盛衰を反映すると聞く」

アベル

「言わば、オルバルトは貴様たちのオドに干渉したと推測できる」

アル

「――ってことは、あの爺さんに体をいじくられたのが原因か」

指がわなわなと震えている。

――大人のときは持てていた精神的な余裕が、失われつつある。

アル

(#`Д´)

「あのクソジジイ、絶対にとっちめてやる……!」

💰 都市庁舎の蔵

捜索の基本は数、だが土地の人間は使えない

アベル

「捜索の基本は数だ。理想を言えば土地勘のあるものが望ましい」

アベル

「だが、この都市の住人は全員、タンザ側に付く可能性がある」

アル

「それで、余所者が集まりそうな酒場狙いか。兄弟の考えそうな発想だな」

スバル

「でも、力を貸してもらうにはお金がいるんじゃないか?」

アベル

「その懸念は無用だ。報酬は用意してある」

アベル「グァラルを発つ際、ズィクルに都市庁舎の蔵を開けさせた」

アル

(・・・・・・)

「……抜け目のねぇこった」

アベル

「――と、当初は考えていた。だが、いささか事情が変わった」

アベル

「タンザが加われば話は別だ。あの娘は、ヨルナ・ミシグレの従者という立場がある」

アル

「本気でこっちの頭を押さえる気なら、酒場の周りにも人を配置するわな」

🗝️ 隠してきた秘密

嘘を作り上げる知恵が、もう残っていない

アル

「いい加減、どういうことなのか話してくれてもいいんじゃねぇか」

アル

(╬゚д゚)

「もう、笑って見過ごせる状況じゃねぇ。オレだけじゃなく、全員の問題だ」

アル

「その娘に、何を秘している」

――もう誤魔化せない。

幼く拙くなった頭では、それらしい嘘を作り上げることもできない。

スバル「こいつは、ルイは……『暴食』の大罪司教だ」

⚖️ 処刑される

この国では、その立場がどう扱われるか

ミディアム

(´・ω・`)

「ルイちゃんが、大罪司教って……」

ルイ

「うー?」

――ミディアムの双眸に過ったのは、見間違いようのない『恐れ』だった。

アル

(╬¬_¬)

「兄弟、そりゃ笑えねぇ冗談だぜ」

スバル

(´;ω;`)

「じ、冗談なんかじゃ……」

アル

(#゚д゚)

「冗談じゃねぇんなら、なおさら笑えねぇよ!」

アル

「大罪司教を連れ歩くなんざ、正気の沙汰じゃねぇ」

アル

「プリステラで何があったか、まさか忘れたってんじゃねぇだろ」

スバル

「あ、アベルも……?」

アベル

「他国で、彼奴らをどう扱っているかは知らぬが」

アベル「この帝国において、『魔女』を奉ずるものは如何なる理由があろうと処刑される」

🏃 鬼であり、追われる側

今この頭で答えを出したら、後悔する

スバル

「――ッ、ルイ!!」

ミディアム

「スバルちん!?」

腰に組み付いたルイが、スバルごと高く跳び上がった。

命を救われたから、救い返すわけじゃない。

情が湧いて、守ってやらなくちゃと勘違いしたわけでもない。

頭の中身まで縮んだ状態で答えを出してしまったら、後悔する。

アル

「兄弟! 戻ってこい! クソったれ――っ!」

足場だらけの、継ぎ接ぎの道が作られた魔都。

――ルイの捉えどころのない奔放さは、まさしく独壇場だった。

スバル

(・・・・・・)

「馬鹿か、俺は。いや、馬鹿だ俺は」

スバル

「それでも、今の俺が決めたら後悔する。こんなの子どもが決めていいことじゃない」

スバル

「きっと、元の俺なら、ちゃんと判断できる。だから……」

スバル「――オルバルトさんを探す。アベルたちにも頼らないで、全力で」

ルイ

(๑•̀ㅂ•́)

「あー、うー!」

――『かくれんぼ』の鬼であり、『追いかけっこ』の鬼に追われる側ともなった。

第七章48『思惑絡み合いし魔都』終了。