第七章48
『思惑絡み合いし魔都』
有角人種はタンザを取り返しに来ていた。――そして、隠し続けた秘密が口から出る。
🩹 治っている
手当てをしようとして、手が止まる
(>﹏<)
「傷は!? 手当てしなくちゃ……!」
「あう! あーうー!」
血が滲んだ形跡はある。だが、傷跡らしいものが見当たらない。
( ゚д゚ )
「治って、る……?」
――暴れ回ったあの力は、砂の塔で見たのと同じモノ。
ルイ由来の力ではなく、他の誰かから奪った力そのもの。
つまり、彼女が使ったのは『暴食』の――
🗡️ 圧迫面接
襲ってきた理由が、ようやく口から出る
「――答えよ。タンザはどこにいる」
(╬゚д゚)
「これで三度だ。答えよ。よもや、四度目があると思うな」
「し、知るはずないだろ! タンザの居場所なら、あなたたちが……!」
「あなたたちがタンザを……だから! 僕たちはこうやって!」
喉笛へ伸びた指が届くより早く、小さな掌が額を押さえ込む。
「あう!」
少年の頭が後頭部から地面に叩き付けられ、昏倒した。
――瞬きの間に消え、別の場所に現れる。
砂の塔でも見せた、『暴食』の短距離ワープだ。
🦌 忌まれた過去
この都市の在り方が、救済である理由
( •̀_•́ )
「全部一人でわかってないで、ちゃんと説明してくれよ! 俺たちは仲間だろ!」
(¬_¬)
「――仲間だと?」
(╬¬_¬)
「そうだよ、アベルちん。あたしたちは仲間なんだから、教えてくんなくちゃ」
「宿への刺客とこのものら、全員が有角人種だ」
――同じような理由で迫害された少女を、スバルは知っている。
出自と容姿が悪い魔女と似ているというだけで、嫌な思いをさせられてきた人を。
「角を有することで迫害された歴史を持つものたちにとって……」
「この都市……カオスフレームの在り方は救済だ」
💞 手放さぬ
みんな辛そうな顔をしていた、その意味
「以前も、死した鹿人の娘一人のために反乱を起こしたほどだ」
(゚д゚)
「じゃあ、いい奴じゃん……!」
「たわけ。そのように易く括れたものか」
「あれは自身を愛したものに肩入れする。その円環の外にいるものには容赦せぬ」
(・∀・)
「え~、でも、好きな人に優しくするのは当たり前だと思う!」
「俺も思う」
「有角人種らにとって、ヨルナ・ミシグレを反乱へ加担させんとする俺たちの存在は……」
「踏み固めた地盤を揺るがす見逃し難い敵ということだ」
――投げるときも、少年は苦しげだった。
襲いかかってきた人々は皆、辛そうな顔をしていた。
追い払うことの罪悪感と、居場所を失うことへの不安。だから、謝ったのだ。
🧩 児戯の隠喩
危害を加えていないのに、消えたのはなぜか
「事実としてこちらはタンザに危害を加えていない。ならば、あの娘はどこに消えた?」
「――事前に、あの嬢ちゃんが言い含めてたってこったろ」
「嬢ちゃんの仲間たちは、そもそも嬢ちゃんが宿から出てきたとこを見てねぇんだろうよ」
「それも道理だ。故に、俺たちが宿を離れるまで強硬手段に出ようとしなかった」
「――それにオルバルトさんが協力してるってことだな!?」
「わざわざ逃げ隠れの児戯を挑んできた。あの老翁の好みそうな悪辣な趣向だ」
「見つけられるもんなら見つけてみろ~、ってこと?」
「そうだ」
――『かくれんぼ』の提案自体が、タンザを隠したことの隠喩だったのだ。
(>﹏<)
「でも、そのせいで俺たちが襲われたんなら、ルール違反じゃないかよ!」
「彼奴ならば、『自分は手を下していない』と言い逃れるだろうよ」
🕯️ オドの盛衰
知恵の巡りまで拙くなりつつある、と指摘される
「――。本格的に知恵の巡りが拙くなりつつあるか」
(;´Д`)
「元々、頭がいい方でもねぇってのに……」
「貴様の場合、理解力と発想力まで落ちているのが問題だ」
「言わば、オルバルトは貴様たちのオドに干渉したと推測できる」
「――ってことは、あの爺さんに体をいじくられたのが原因か」
指がわなわなと震えている。
――大人のときは持てていた精神的な余裕が、失われつつある。
(#`Д´)
「あのクソジジイ、絶対にとっちめてやる……!」
💰 都市庁舎の蔵
捜索の基本は数、だが土地の人間は使えない
「捜索の基本は数だ。理想を言えば土地勘のあるものが望ましい」
「だが、この都市の住人は全員、タンザ側に付く可能性がある」
「それで、余所者が集まりそうな酒場狙いか。兄弟の考えそうな発想だな」
「でも、力を貸してもらうにはお金がいるんじゃないか?」
「その懸念は無用だ。報酬は用意してある」
(・・・・・・)
「……抜け目のねぇこった」
「――と、当初は考えていた。だが、いささか事情が変わった」
「タンザが加われば話は別だ。あの娘は、ヨルナ・ミシグレの従者という立場がある」
「本気でこっちの頭を押さえる気なら、酒場の周りにも人を配置するわな」
🗝️ 隠してきた秘密
嘘を作り上げる知恵が、もう残っていない
「いい加減、どういうことなのか話してくれてもいいんじゃねぇか」
(╬゚д゚)
「もう、笑って見過ごせる状況じゃねぇ。オレだけじゃなく、全員の問題だ」
「その娘に、何を秘している」
――もう誤魔化せない。
幼く拙くなった頭では、それらしい嘘を作り上げることもできない。
⚖️ 処刑される
この国では、その立場がどう扱われるか
(´・ω・`)
「ルイちゃんが、大罪司教って……」
「うー?」
――ミディアムの双眸に過ったのは、見間違いようのない『恐れ』だった。
(╬¬_¬)
「兄弟、そりゃ笑えねぇ冗談だぜ」
(´;ω;`)
「じ、冗談なんかじゃ……」
(#゚д゚)
「冗談じゃねぇんなら、なおさら笑えねぇよ!」
「大罪司教を連れ歩くなんざ、正気の沙汰じゃねぇ」
「プリステラで何があったか、まさか忘れたってんじゃねぇだろ」
「あ、アベルも……?」
「他国で、彼奴らをどう扱っているかは知らぬが」
🏃 鬼であり、追われる側
今この頭で答えを出したら、後悔する
「――ッ、ルイ!!」
「スバルちん!?」
腰に組み付いたルイが、スバルごと高く跳び上がった。
命を救われたから、救い返すわけじゃない。
情が湧いて、守ってやらなくちゃと勘違いしたわけでもない。
頭の中身まで縮んだ状態で答えを出してしまったら、後悔する。
「兄弟! 戻ってこい! クソったれ――っ!」
足場だらけの、継ぎ接ぎの道が作られた魔都。
――ルイの捉えどころのない奔放さは、まさしく独壇場だった。
(・・・・・・)
「馬鹿か、俺は。いや、馬鹿だ俺は」
「それでも、今の俺が決めたら後悔する。こんなの子どもが決めていいことじゃない」
「きっと、元の俺なら、ちゃんと判断できる。だから……」
(๑•̀ㅂ•́)
「あー、うー!」
――『かくれんぼ』の鬼であり、『追いかけっこ』の鬼に追われる側ともなった。
第七章48『思惑絡み合いし魔都』終了。
スバル
ルイ
アベル
ミディアム
アル