リゼロを読む WEB版・初見向け解説
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206話

第七章47

『消えぬ■■』

血の染みが広がっていく。動かせない支柱。――そして、あってはならない力が目を覚ます。

🩸 赤い染み

傾いた資材の下から、引き出せない

少女の体が、地面を何度も跳ねて通りの端へ。

テントの骨組みにぶつかり、傾いた資材が下敷きにする。

スバル

(>Д<)

「ルイ、ルイ! い、生きてるか! おい、ルイ!」

ルイ

(´・ω・`)

「……うー」

倒れた支柱が作ったスペースに嵌まり込み、ギリギリで潰されずに済んでいた。

――ホッとしたあとで、すごく困ってしまう。

スバル

(>﹏<)

「こんなの、動かせない……」

支柱の太さはスバルの胴体ほど。押しても引いてもびくともしない。

『てこの原理』を使おうにも、ちょうどいい重石が見つからない。

――じわじわと、白い服が土埃ではない赤い染みで汚れていく。

🙏 死なないで

どうしてそんなに怖がっていたのか、と考える

――思えば、ずっとルイの名前を呼ぶことすら最低限にとどめてきた。

警戒し、疎んで、乱雑に扱ってきた。

それでも一度も、彼女はスバルに不利益なことをしなかった。

どうして、そんなにルイを怖がっていたのか。

――記憶に靄がかかったみたいで、思い出の引き出しが開かない。

ただ、引き出しを開けるまでもなくはっきりしていることが、一つ。

ルイがスバルを庇おうとして、血を流したということ。

スバル

「し、ぬな……」

スバル

(´;ω;`)

「死ぬな、ルイ! 死んじゃ、死んじゃダメだ……! ダメなんだ……!」

スバル

「死なないで……!」

ルイ

(×Д×)

「――うあ、う」

少女の瞳が、ほんのわずかに力を取り戻した。

🪨 全然斬れない

頑丈で力持ちだが、技はまるで下手

ミディアム

(╬゚Д゚)

「う、りゃあああ――っ!!」

刃は、少年の掲げた腕に弾かれた。文字通り、腕で受けて跳ね返したのだ。

ミディアム

(>Д<)

「うわ~ん、硬い! 全然斬れない! ズルいじゃん!」

振り回した腕が地面に激突し、腕より大きな穴が開く。

――喰らわずにいられるのは、少年の動きが隙だらけだからだ。

ミディアム

( •̀_•́ )

「すっごい頑丈だし、力持ちっぽいけど、技は下手!」

まるで、でっかい体で生まれたばっかりの赤ん坊のようだ。

✋ なん、でだ?

急に足を止めて、膝をついてしまう

ミディアム

「アルちん! アルちんってば!」

気絶したわけではない。目は覚めているし、一度は助太刀もしてくれた。

それが今、急に足を止めて、がっくりと膝をついてしまった。

アル

(・・・・・・)

「……なん、でだ?」

まるで、手に握っていたはずのものを、落としてしまったみたいに。

🗣️ よく励め

兄がいない場所で、背中を押される

――昔からこうだ。気持ちが弱ると、体も弱くなる。

だから、いつも前向きに、声を大きく、背筋を伸ばすようにしていた。

兄が「頑張れ!」と声をかけてくれることも、背中を押していた。

――でも、ここには兄がいない。

「――いたぞぉ!!」

増援が、膝をついたアルの背後へ迫る。

アベル

(¬_¬)

「――まだ動けぬか、たわけ」

横合いから伸びた足が、アルの肩を蹴り飛ばして一撃から逃れさせた。

ミディアム

( ゚д゚ )

「アベルちん?」

――怒られると思うと、体が縮こまってしまう。

昔は怒られて、殴られることが多かったから。

アベル

「ミディアム」

アベル「――よく励め」

ミディアム

(๑•̀ㅂ•́)و

「うん! 頑張る――!!」

顎を突き上げ、胴を蹴り、膝を踏み、首に回し蹴り。

――猛然と息を吹き返したミディアムに、少年は防戦一方になった。

🦌 有角人種

襲ってくる者たちの、共通点に気づく

ミディアムは髪を掴まれ、犀人の大男に持ち上げられていた。

アルは倒れたまま。アベルは壁際に追い込まれている。

ミディアム

「アベルちん! アルちん連れて逃げて!」

「悪いが、逃がすわけにはいかない。あんたたちにはここで……」

アベル

「――貴様は牛人、先のものは羊人だった」

アベル

「宿を囲っていたものたちも揃って有角……ここまで条件がわかれば誰でもわかろう」

アベル「俺たちを狙うのは、有角人種か」

犀人の鼻の上には、一本の太い角。

羊人の少年にも、宿を囲んだ人たちにも、みんな角があった。

ミディアム

(╬゚д゚)

「でも、それが何なの!」

アベル

(╬¬_¬)

「たわけ。――それが、この事態の元凶であろうが」

⚖️ 審判という名の焔

壁際に追い込まれて、なお挑発する

アベル

「――試してみるがいい」

アベル

「貴様に俺を殺せるか、試してみるがいい」

「……その細い首を折るのに、難しいことがあるか?」

アベル

「容易いか否か、その答えは行動の先にある。故に、試してみるがいい」

アベル

「貴様にその器があるなら、焔は貴様を称えよう。だが――」

アベル「器に足らねば、焔は魂すらも焼き尽くす。――さあ、どうする」

アベル

( •̀_•́ )

「試すがいい。――審判という名の焔を、己が上回れるかどうか」

おびただしい汗を浮かべ、男が呻く。

――目を見てしまった時点で、他のものは舞台から外されていた。

「う、うおおおお――!!」

軋った歯が割れる音を立てて、両腕が振り上げられる。

😱 悪夢

テントの下から、二人の姿が忽然と消える

――次の瞬間、テントの下から二人の姿が忽然と消えた。

ルイ

「うー!」

振り上げた牛人の顎を、真下から撃ち抜いていた。

猛スピードでも、時を止めたのでもない。

瞬きぐらいの一瞬で、別の場所に移動していたのだ。

・ピンボールのような動きで男たちの急所へ一撃ずつ

・地面の表層を絨毯のように引っぺがす

・剥がした薄い地面を投げつけ、質量を伴った土の壁に戻す

・数メートルの距離を、幻のように跳ぶ

――悪夢だった。

スバルが、恐れていた悪夢だ。

スバル

(゚Д゚ ;)

「る、ルイ、それは……」

あれはあってはならない力、消えなくてはならない■■で――

アベル

「ただの娘ではないと思っていたが、合点がいった」

アベル

「これが、貴様があの娘を連れ歩いていた理由か」

スバル

(;´Д`)

「ち、ちが……っ」

――だったらどうして連れ歩いていたのかと言われたら、何も答えられない。

💀 今のオレは

大丈夫か、と聞くと否定される

スバル

「あ、アル! おい、大丈夫か? 傷は……」

アル

「……大丈夫じゃ、ねぇ」

スバル

「――! ケガしたのか!? どこだ?」

アル

「そうじゃねぇ!」

アル

(´;ω;`)

「――役立たずだ」

スバル

「……そ、そんなことは」

アル「役立たずなんだよ。今のオレは、死んじまう」

🦌 まとめ役

この件を仕組んだのは誰か、を突き止める

ミディアム

(>﹏<)

「アベルちん! ひどいことしちゃダメだよ!」

アベル

「黙っていよ。聞かねばならぬことがある」

少年は縮んだわけではない。等身大の子どもだ。

大人たちがコテンパンにやられ、鬼の面の男に見下ろされて。

――怖い思いをしていないはずがない。

顔の距離が近付いて、瞳で燃える炎が勢いを陰らせるほどに。

アベル

「此度のことを仕組んだ、有角人種のまとめ役――」

アベル「あの、タンザと名乗った娘はどこに隠れている。疾く、それを明かすがいい」

第七章47『消えぬ■■』終了。