第七章29
『それぞれの立ち方』
『九神将』を確保した方が勝つ。だが最強の一人には、致命的な問題があった。
📜 明かされた名
九人の名が、一挙に明らかになる
漫画やアニメなら、幹部級の名前がいっぺんに明らかになる燃える場面だ。
だが、我が身に降りかかるとなると、手放しに喜べる展開ではまるでない。
『精霊喰らい』が特性そのものである以上、他も異能に関連した異名だろう。
(・_・)
「名前でどんな奴なのか想像つくのは、『呪具師』と『飛竜将』ぐらいか?」
(¬_¬)
「お前、自分はわかってるからって説明省いてばっかだと、周りから何考えてんのかわからねぇ奴だと思われるぞ」
「助言のつもりと思って聞き流してやる。疑問を述べよ」
(¬_¬)
「聞き流さずに胸に留めとけよ……」
🔢 四と五
九人のうち、こちらの手札を数えてみる
五人以上の確保が前提だ。
すでに相手には二人を取られている。
手助けしてくれた一人は、安否不明。
確実に取り込める手札まで、なくしている可能性が高い。
(・∀・)
「『選帝の儀』を勝ち抜いたって実績は折り紙付きだ。門前払いさえなけりゃ……」
(・・・・・・)
「――背くものの首を刎ねる機会も同様に得られよう」
(╬゚Д゚)
「味方に付けろよ!」
🗺️ 国家の要
九神将は、国のあちこちに散らばっている
(・_・)
「それってみんな帝都に控えてるわけじゃないのか?」
「一将は国家の要じゃぞ。帝国の無駄に広大な国土を見よ」
「帝国では内乱の火種が燻るのをあとが絶ちません」
「帝国の守護は、帝都を守れば盤石というわけではないのです」
つまり、全員がクーデターに関与していたわけではない。
⚡ 帝国最強
最強を取りにいくのが定石、のはずだが
(・∀・)
「ラインハルトと並べられるぐらいだし、セシルスだっけ? その人を取りにいくのが定石……ってか、それで決まらねぇか?」
(´・ω・`)
「……アレを確保すれば、戦力面の問題が一挙に解消されるのは事実だ」
「そのわりに、苦々しい顔なのはなんでなんだ?」
「九神将の確保が勝利条件なのは、奴らの武勲に多くの将兵が従うからだ」
「いいや、彼奴めが帝国最強である点に疑いはない。ただ、問題がある」
(・・・・・・)
「それ、お前が言うの?」
「事実だ。帝国一将の『壱』の座にあるが、アレには何の権限もない」
「アレにできるのは、ただ人を斬ることのみだ」
(╬゚Д゚)
「そんな奴、将軍のポジションに置くなよ!」
🤔 忌憚ない意見
国防の要が、味方から恐れられている
「まず、セシルス殿が国防の要であり、ヴォラキア帝国の精強さの象徴であることは間違いありません」
(・∀・)
「おお、いい調子じゃないですか。それで?」
「人間的にも奔放で親しみやすく、誰に対しても態度を変えることのない晴れ晴れしく気持ちのいい人物です。総合して……」
「総合して……?」
( ゚д゚ )
「評価が急展開したな!?」
急いで確保するメリットは少ない。
だが、放っておけば危険すぎる爆弾となる人材。
「扱いづれぇ奴だなぁ! めちゃめちゃ邪魔じゃねぇか!」
🤝 ダチにしていい態度
実力と人間性が揃った相手の、ありがたさ
実力と人間性が保証されている相手が、どれだけの優良物件か。
遠い異国の地の今だからこそ思い知らされる。
(¬_¬)
「言っておくがな、凡愚。『剣聖』であれば、国家同士の約定が理由で国境を越えることができん」
「くだらぬ期待は抱かぬ方が賢明よ」
「人の心を読むな。本気でやろうとは思ってねぇよ」
🚪 威勢のいい声
血に汚れたまま、治療現場から報告が届く
(・∀・)
「――ナツミ嬢に村長くん! 失礼するよ!」
あちこちが血で汚れていて、治療現場の凄惨さを際立たせている。
「フロップさん、みんなの手当ては?」
「ちょうど一段落ついたところさ!」
( ゚д゚ )
「え……」
「奥さんと姪っ子ちゃんが頑張ってくれたおかげだろう」
「タリッタ嬢やウタカタ嬢の機敏さも手伝った。無論、僕と妹も奮闘させてもらったわけだけどね!」
(´;ω;`)
「死人なし……っ」
失われた命はある。
だが、失われなかった命も、またある。
🗣️ 呼び方
治癒術師、という呼び方に注文がつく
(・・・・・・)
「――商人、治癒術師はどうなった」
「それはもしや……旦那くんの奥さんのことかい?」
「他に誰がいる。あの場に、あの娘以外に治癒魔法の使えるものがいたとでも?」
(´ー`)
「村長くんは、もっと相手に好感を持たれる言い方をした方がいいんじゃないかな」
「呼ぶにしても、親しみやすさを意識した方がずっと円滑に物事は進むだろう!」
「頑張ってくれたおかげでかなり消耗はしているけれど、それは休めばよくなる範囲のものさ」
「そうか……なら、よかった」
🤝 一番新しい友人
死線を共にすれば友か、と返される
「そこな優男、商人と呼ばれておったが……貴様もアベルの部下か?」
「む、部下というわけではないよ。まぁ、一番新しい友人というのが適切かな!」
「妾の知らぬうちに友人作りに勤しんでおったとは」
「皮肉はやめよ。そも、そこな男と俺が友人となった覚えなどない」
(╬゚д゚)
「何を言うんだい、村長くん! 一緒に女装で死線を潜った仲じゃないか!」
「共に死線を潜ればすぐさま友か? ならば、帝国兵はことごとく俺の友ということになるな」
😔 微かな躊躇い
太陽のような瞳に、憂いが浮かんでいる
「――待て」
太陽のような在り方を貫いてきた瞳に、憂いが浮かんでいる。
「商人であれば、話題の運び方には注意深くもなろう。その点、貴様は商人に向いているとは到底思えんな」
「……旦那くん、さっきの僕の話には言葉足らずな部分があった」
その先の言葉を聞きたくない。
そう思いながらも、聞かずにはおれない。
🏥 野戦病院のような有様
焦げた黒髪を切り揃えて、待っていた
(´ー`)
「――アベルとナツミもきたカ」
焦がした黒髪を、切り揃えていた。
野性味のある風格が、微笑みから抜け落ちている。
それでも目力のある表情の力は失われていない。
それが、アンバランスだった。
「まずは礼を言ウ。レムのおかげで命を拾っタ。奇跡ダ」
「見事に都市も奪って見せタ。お前の働きにハ、シュドラクの族長として感服すル」
「その上でこの先の戦いのためニ、宣言しなくてはならなイ」
膝から下を失った右足を撫でながら、そう言った。
第七章29『それぞれの立ち方』終了。
ナツミ
アベル
アル
プリシラ
ズィクル
フロップ
ミゼルダ