リゼロを読む WEB版・初見向け解説
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206話

第七章28

『勝利条件』

無血開城は、成らなかった。七人が死んでいる。そして、この戦いの勝ち方が示される。

😞 面目ネー

弓でも追いつかず、取り逃がした

クーナ

(´・ω・`)

「面目ネー。ホーリィの弓でも追っつかなくテ、逃げられちまっタ」

ホーリィ

(´・ω・`)

「なノー……」

クーナ

(╬゚д゚)

「一人が囮に残っテ、もう一人が九神将を連れ出していきやがっタ」

クーナ

「このままじゃ終われねーかラ、すぐにアタイらが追跡しテ……」

アベル

「――無駄だ」

プリシラ

「――無駄だ」

同時に、同じ言葉。

アベル

「少数で敵陣に乗り込み、目的のみを遂げて脱する手合いだ」

アベル

「やれると決断した胆力も、逃げおおせた判断力も評価に値する」

アベル「半日かからず、アラキアも目を覚まそう。そうなれば追っ手に勝ち目はない」

🕯️ 見張りが何人か

見張りの何人かが、やられていた

クーナ

(´・ω・`)

「建物の中に立たせてた見張りが何人かやられタ。全員死んでテ、何もできねーヨ」

ナツミ

「――。何人かじゃなくて、何人だかわかるか?」

クーナ

「……七人だナ」

その数が、胸に深く突き刺さる。

スバル「……何が無血開城だよ」

力強く請け負い、やってみせると豪語した策。

意気込みと裏腹に、多くの死者を出した。

口約は破られ、大嘘つきと誹られても言い訳できない。

誰も責めなかったとしても、自分が自分を誹る。

😲 ずいぶんと無謀な言葉

血を流さずに落とそうとした、と知られる

プリシラ

( ゚д゚ )

「よもや、血を流さずに都市を落とさんとしたというのか?」

プリシラ

「たわけた発想だと、そう呆れ返っただけじゃ」

プリシラ

「ましてや、その夢物語を実行に移さんとしたことに驚嘆する。――アベル、貴様、正気か?」

プリシラ

(¬_¬)

「犠牲なくして戦果はない。血を流さずして誇りは保てぬ。それが帝国の流儀であろう」

アベル

「俺とて、剣狼の掟に背くつもりはない。狂気の沙汰とは言ったが、勝算があった」

アベル

「事実、アラキアの存在がなければ、無血開城は成っていたろうよ」

アベル「過ったのは策ではない。俺の見立てだ」

アベル

「プリシラ、貴様であれど、俺の軍師の献策を愚弄するのは許さん。俺の裁可だ。責は俺にある」

ナツミ

( ゚д゚ )

「ぉ……」

🪖 兜の金具をいじりながら

救える命の数を、数えはじめてしまう

アル

(・・・・・・)

「全部は救えねぇよ、兄弟」

アル

「関わる相手、全部は救えっこねぇ。別に救っても構わねぇんだが、そんな真似してる間に心が壊れちまう」

アル

「誰もが勝手に生きて、勝手に死ぬんだ。そいつの人生のケツ持ちはそいつがするもんなのさ」

ある種、正論なのだろう。

全てを救うことはできないし、救おうと決めればキリがない。

しかし、戦争は規模が違う。

本当に、その選択で正しいと言えるのか。

行動一つで救える命は、十や百では利かないのではないか。

💍 踏み砕いた指輪

あの不自然な揺れの、種明かし

アベル

(・_・)

「アラキアは『精霊喰らい』だ。大気中の精霊を喰らい、その力を取り込む性質がある」

ナツミ

( ゚д゚ )

「絶対にベア子と引き合わせたくねぇな……その『精霊喰らい』って一般的なのか?」

プリシラ

「そんなこともない。ヴォラキアの辺境に住まう部族にのみ伝わる秘術の一つよ」

プリシラ

「じゃが、強力な特性故に滅ぼされ、宿し方も失伝した」

ナツミ

「『精霊喰らい』のアラキアを、どうやって惑わせたんだ?」

アベル「惑わせたわけではない。――マナ酔いにさせただけだ」

アベル

「バルコニーを落とすのに合わせ、隠していた指輪を踏み砕いた」

ナツミ

「あの瞬間、そんな小細工してやがったのか……」

全員がボロボロに負傷した状態で、なお勝ち筋を探っていた。

諦めの悪さには脱帽するしかない。

🎯 大目標

協力者に何と進言するか、という話になる

プリシラ

「これでは到底、妾も協力者に貴様を支持するよう進言はできぬぞ」

ナツミ

( ゚д゚ )

「協力者!?」

ナツミ

「答えてくれ。正直、俺も他のみんなも、お前をどう思っていいのか測りかねてる」

プリシラ

(¬_¬)

「は、思い上がりも甚だしい。凡愚共が妾をどう思おうと知ったことではない」

プリシラ

「たとえ貴様らがどう思おうと、妾は妾のしたいようにする。なにせ……」

ナツミ

「――世界は妾にとって都合のよいようにできておる、だろ?」

プリシラ「妾の目的は、玉座を追われた皇帝を元に座に戻すことじゃ」

プリシラ

「でなくば、妾の下に煩わしい来客がひっきりなしに訪れる」

アル

「あー、飛竜の速達便って感じだわな」

🕸️ 絵図を描いたのは

誰が始めたことなのか、を問われる

プリシラ

「問題は、誰が始めた? 誰の企てじゃ?」

アベル

(・・・・・・)

「――絵図を描いたのは、宰相のベルステツであろうよ」

アベル

「当然、奴の叛意を見通し、相応に備えていた。だが……」

彼らしくもない、初めて見せる弱味に近い反応だった。

アベル「見張らせていたチシャ・ゴールド……九神将の『肆』の叛意は見抜けなんだ」

ズィクル

( ゚д゚ )

「――馬鹿な、チシャ一将が?」

ナツミ

「政治的な右腕の宰相と、付き合いの長い右腕の将軍にそれぞれ裏切られたってこと?」

アベル

「重ねて言うな。俺の右腕は俺の右肩についている」

ナツミ

(´・ω・`)

「それ、今言われても強がりにしか聞こえねぇから……」

🦁 逃がすために

逃げ延びられたのは、誰かの足止めがあったから

アベル

「同じ九神将のゴズ・ラルフォン……奴は俺を逃がすために尽力した」

アベル

「あれの足止めがなければ、転移の仕掛けを起動させられなかったろう」

ズィクル

「僭越ながら、私の下にゴズ一将が亡くなられた報せは届いておりません」

アベル

「ならば、囚われの身の目もあるか」

ズィクル

( •̀_•́ )

「おそらくは。いえ、必ずや! ゴズ一将ほどの武人であれば!」

🐺 力あるものを尊ぶ国

今さら皇帝を名乗って、通じるのか

ナツミ

(・_・)

「アベルが皇帝って名乗り出るのはどうなんだ?」

アル

「残念だが、それで怒れる民衆やら軍人やらがクーデター政権を血祭りに上げてくれるのを期待するのは無理だぜ、兄弟」

アベル

「――ここが、力あるものを尊ぶヴォラキア帝国であるからだ」

アベル

「俺が名乗り出れば歓迎はされよう。だが、それが俺を支持することとはならん」

アベル「奪われたものは奪い返す。それが流儀だ」

ナツミ

「物とか土地だけじゃなく、皇帝の座も……」

アベル

「例外はない。――故に、俺のすべきことは決まっている」

🗺️ 地図を

帝都ルプガナは、帝国の中央にある

アベル

「ズィクル二将、地図を」

ズィクル

「は! すぐに!」

アベル

「俺たちがいるのが東の地、城塞都市グァラルがここだ」

アベル

「そして、奪還すべき帝都ルプガナはおよそ帝国の中央にある」

ナツミ

( ゚д゚ )

「……ヴォラキア、かなりでけぇな」

四つの大国が世界を四分割している。

その中で、南のヴォラキア帝国の国土が最も大きい。

あれほど苦労して抜けたバドハイム密林も、ほんのささやかな地理を占めるだけ。

アベル

「各都市を傘下に加え、帝都を奪還するための戦力を確保する」

ナツミ

「グァラル一個でこの大仕事だ。こんなうまくいくと思えねぇ」

⚔️ 帝国民は精強たれ

懸念を払拭する術が、ひとつだけある

アベル

(・∀・)

「貴様の懸念を払拭する術はある。むしろ、俺の為すべきを為すには必須の術が」

アベル「――『九神将』の確保だ」

その『九神将』に裏切られたことが原因で、玉座を追われたばかりではないか。

アベル

「帝国民は精強たれ。『九神将』こそが、その習わしの体現だ」

アベル

「ヴォラキア帝国の覇者たらんとすれば、『九神将』を束ねることは外せぬ」

セシルス『青き雷光』セシルス・セグムント。

アラキア『精霊喰らい』アラキア。

オルバルト『悪辣翁』オルバルト・ダンクルケン。

チシャ『白蜘蛛』チシャ・ゴールド。

ゴズ『獅子騎士』ゴズ・ラルフォン。

グルービー『呪具師』グルービー・ガムレット。

ヨルナ『極彩色』ヨルナ・ミシグレ。

モグロ『鋼人』モグロ・ハガネ。

マデリン『飛竜将』マデリン・エッシャルト。

アベル「この争い、より多くの『九神将』を確保した方が勝利する」

第七章28『勝利条件』終了。