第七章105
『頂点乱麻(中編)』
シノビとの死闘、崩れる城壁、そして玉座の間へ辿り着いた者がいる。
😤 個人的な『敵』
荒々しい防護を、抜いてくる技がある
裂傷や打ち身の類なら、大地の力を頼りに強引に癒し切れた。
――しかし、相手の技はそうした荒々しい防護を抜いてくる。
(´ー`)
「やれやれ。この場はさすがに私ではなく、あちらの老人へ向けるのが筋では?」
(╬¬_¬)
「『棚上げするカグリコン』だ。てめェが筋を語るんじゃねェ」
仕草も言動も、弱々しい外見さえも全ては相手を死に至らしめるための道具。
――その存在の全部を凶器とするのがシノビなのだと。
🕰️ 四十年近く前
前にもやり合ったという話が、聞き捨てならない
(¬_¬)
「――前にもシノビとやり合ってるっちゅーんは、ちょいと聞き捨てならんのじゃぜ」
「言葉として正しいかわからないが、抜けシノビというやつさ」
「里を抜けたシノビ、それもしばらく出しちゃいねえんじゃが?」
ロズワールの年齢なんて聞いたこともないが、せいぜい三十歳前後。
――四十年前なんて生まれてもいない。この土壇場で、悪ふざけなんてとんでもない。
「――シャスケとライゾウあたりじゃね? お前さんの言っとる抜けシノビ」
「さて、当たりかどうか答える義務があるのかな?」
(≧▽≦)
「ねえな。……お前さん、シノビの才能あるかもじゃぜ」
「私の欲しい才能も歩みたい道も、それこそ四十年よりずっと以前から決まっている」
🔱 二度目の救助
敵は減らせるところから減らす、が定石
瞬きの合間に彼我の距離が消える。怪老の足が跳ね、標的の首へ襲いかかった。
「敵は減らす。それも減らせっとこから。定石じゃろ?」
『釵』と呼ばれる、西国のカララギで使われているという無名の武器。
――それが、ガーフィールの命を救った。立て続けに二度目という屈辱と共に。
(╬゚Д゚)
「お、おおぉォォォッ!」
(・∀・)
「うおっとぃ」
「一度落ち着こうか」
鼻先を、回転する黒刃が横切っていく。
「離れる瞬間、後ろ手で死角に投じた飛刃だ。シノビはこの手の技の宝庫」
🎯 援護止まり
強さの種類を、見誤らないこと
「――ガーフィール、強さの種類を見誤らないことだ」
「君は強い。だから、相手は君の土俵で戦うことを避けようとする」
魔法を使えば、そこから正体がバレる恐れがある。
――そうなれば、これは帝国の内乱ではなく、王国と帝国との戦いに発展しかねない。
「その不足を埋めるために私が立ち回ろう。私は……」
(¬_¬)
「――性格が悪ィ」
「そう、私は性格が悪いからね。頼もしいだろう?」
(;´Д`)
「ハッ! 言ってろッ」
🥷 負ける気はない
相手が二人でも、二対一とは限らない
「……これで二対一、面倒臭くなりやがったんじゃぜ」
「ただ相手が二人いたら、二対一って話にゃならねえのよ」
「いる二人が連携して、初めて二対一……厄介になったって話よ」
「では、不利を悟って投降されては?」
(≧▽≦)
「かかかっか! 敵前逃亡も戦闘放棄も、犬死に以下の最低の無様よ」
「――股下だ」
「お、ああああァァァ!!」
初めての直撃、そして本当の意味での、シノビとの死闘が始まった。
🦸 情けねぇ
遅れて登場するお約束が、昔から嫌いだった
――ヒーローは遅れてやってくる。そんなある種のお約束が、スバルは嫌いだった。
争い事を決着に導ける実力者の登場なんて、早ければ早いほどいい。
「一番戦果を挙げてやるって意気込むのも、遅刻癖のヒーローと同じじゃねぇか!」
遅れてやってくるヒーローが一番活躍するのは、遅れたことを悔やんでいるからだ。
――このとき初めて、その後の奮戦ぶりの根拠を知った。彼らも、自分を責めていた。
( •̀_•́ )
「やるぞ、ベアトリス!」
「エル・シャマク!」
「――俺は、ヴォラキア帝国が嫌いだ」
戦うことを、殺し合いを、戦士であることを強いる帝国への、腹いせだった。
🧱 判断は君が
判断はしない。利と不利だけ並べられる
「本職は判断しない。ただ考え得るメリットとデメリットを提示する」
「帝都に入り、水晶宮へ至れば決着を早められる」
「他の頂点へ援護に回れば、敵味方の被害を本職たちの力で減らせる。以上だ」
(>﹏<)
「悩ましい! 悩ましいが……」
可能性を提示しても、何を選ぶべきかを強制しない。
――その一線を守り続けてくれたからこそ、戦団は瓦解せずに団結してきた。
「グスタフさん! ヒアインと半分連れて他の戦いの援護!」
「ヴァイツ! もう半分を半分にしてここを維持! 任せた!」
「任せろ、兄弟! 同じ船に乗ったつもりでなぁ!」
「同じ船に乗るのは当然だ、トカゲ……! お前の頼みだ、オレも聞こう……」
🦌 壁を抜く
壁の向こうへ、堂々と入っていく
「シュバルツ、私たちはどうする!?」
「決まってる! 俺たちはこのまま、壁の向こうに堂々エントリーだ!」
(¬_¬)
「――シュバルツ様は、調子のいい」
彼女こそが――プレアデス戦団最強の、アタッカーだからだ。
「――はぁぁ!!」
堅牢な城壁を打ち壊し、その向こうへと突き抜ける。
「続け続け続け続けぇぇ――!!」
戦団一人一人の攻撃というより、プレアデス戦団という一個の生き物としての一撃。
( ゚д゚ )
「あの城壁をあっさりと……とんでもなさすぎるかしら……」
「――それがプレアデス戦団です」
🤝 チーム
顔を合わせた途端、また険悪になる
(╬゚д゚)
「お前、生意気な面構えなのよ……!」
(・_・)
「生意気と申されましても、生まれつきこの顔です」
(>﹏<)
「表情は違うかしら! 表情は作れるものなのよ!」
「おのれ、覚悟ぉ――!」
「うあう!」
瞬きの間に移動――違う、転移したのだ。
「シャマク」
動きの止まった帝国兵の足を、タンザの水面蹴りが豪快に刈り取る。
「お見事でした」
「お前も、なかなか悪くない動きなのよ」
「まぁ、幼女同士が打ち解けるのはいいことだ」
(;´Д`)
「……って、ルイ! いきなりやるのはやめろ、イドラの中身がひっくり返っただろ!」
🏰 目指せ水晶宮
戦場に子ども四人、という編成になる
「頼んだぜ!」
「本職は職務を果たすのみだ。君もそうしたまえ」
(≧▽≦)
「よっしゃぁ! プレアデス戦団、堂々と力ずくの凱旋だぜえええ!」
「シュバルツ、ここは死守する……。玉座を奪ってこい……!」
「では、中へ乗り込む。どうやら私たちが一番乗りのようだ」
「街の代表がよっぽど神経質じゃねぇとこうならないだろうな」
( •̀_•́ )
「てっぺんでふんぞり返ってる皇帝閣下の真ん前に、こんにちはって挨拶してやる!」
(;´Д`)
「戦場に四人の子ども連れ……やはり、私に戦士の才能はなかったようだ」
👑 下から仰いでも
咎める忠臣も、刎ねる兵もそこにいない
「よもや、ここまで食い下がってくるとは思わなんだ」
「それは貴様の巡らせた十重二十重の糸の、どの段までをさした物言いだ?」
咎める忠臣の姿も、無礼者の首を刎ねる兵の姿もそこにはない。
――絨毯を踏みしめる闖入者の無遠慮な靴音が室内に響き渡る。
その事実を認識するには、阻害された認識に踏み込むだけの根拠がいる。
――故に、鬼面を被った人物の声色が、皇帝のそれと全く同じと易々とは気付けない。
第七章105『頂点乱麻(中編)』終了。
「てめェの横で、蹲ってッなんてられッかよォ」
ロズワール
オルバルト
「なのに、俺たちの到着が一番遅いなんて情けねぇ!」
ベアトリス
グスタフ
ヒアイン
ヴァイツ
イドラ
タンザ
ルイ
アベル