リゼロを読む WEB版・初見向け解説
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206話

第七章103

『星の秒読み』

囚われの屋敷を抜け出したレムは、地下に繋がれた男を見つける。

🪜 抜け出す

足踏みという選択肢だけは、選べない

レム「動くなら、今しかありません」

じりじりと日毎に焦げ臭さを増していくのを感じていながら、何もできなかった。

――そのことを強く恥じ入っているレムには、足踏みという選択肢は選べなかった。

レム

(・_・)

「私とベルステツさんとでは、立っている側が違いますから」

立ち位置の違う相手の事情を汲めるのは、強者か、余裕のある人間だけだ。

――レムはそのどちらでもないから、選ばなくてはならない。

🦯 賭け

歩く練習は、ずっと続けていた

レム「万一のときに備えていたつもりでしたが……」

足の不自由を訴えてきたのが嘘なわけではない。歩く練習をずっと続けていたのだ。

――このまま足が悪いと思わせておけば、役立つかもしれないと。

こうして実際に役立てた以上、賭けには勝ったと言えるだろう。

――もっとも、油断は大敵だ。せっかく賭けに出た以上は、勝たなくては意味がない。

そもそも、賭けに出るような真似をしたこと自体、誰の影響によるものなのか。

――レムは、考えないようにしていたが。

🚪 不合理

合理を考えるまでもなく、不合理を選ぶ

目標は離れに囚われた『皇太子』たちとの接触。だが、屋根の傾斜で足が滑った。

――その拍子に、行き止まりに設置された見慣れない扉が目に飛び込んできた。

レム「隠し扉……? いったい、何が」

どちらが合理的か考えるまでもない。――なのに、レムは不合理を選んでいた。

扉に鍵がかかっていなかったのは、不用心というより、不必要だからだろう。

――招かれざる客が訪れることを想定していない場所だ。

レム

(・・・・・・)

「地下に続く階段……」

🔗 忠心

地下室の奥に、鎖で繋がれた気配がある

レム

(;゚Д゚)

「――誰か、いるんですか?」

人間としてかなりの大柄、そんな気配が地下室の奥の壁に鎖で繋がれ、囚われていた。

ゴズ

(×Д×)

「閣下、を……」

レム

( ゚д゚ )

「……あなたは」

ゴズ「ヴィンセント・ヴォラキア、皇帝閣下を、お守り、しなくては……」

血の色をした低い声が、地下のひび割れた空気を痛々しく揺すった。

――込められた切実な響きは、我が身を顧みない忠心で満たされている。

レム

(・・・・・・)

「……ゴズ、ラルフォン」

それは確か、このヴォラキア帝国で最強と名高い『九神将』の一人の――

ゴズ

(>﹏<)

「閣下を、『大災』から、お守りしなくては――」

❓ 玉座に誰を

雑談に付き合う暇はない、と突っぱねる

セリーナ「――アベルと言ったか。『皇太子』の噂を広めたのはお前だな?」

アベル

(╬¬_¬)

「今、俺が貴様の雑談に付き合う暇があるように見えるのか?」

セリーナ

「これでも、私はお前からの文を理由に立場を定め、こうして馳せ参じた立場だ」

セリーナ

(・_・)

「『黒髪の皇太子』が、本当に閣下の御子であると私は思っていない」

セリーナ

「閣下は妃を娶らないし、女を抱いたという話も皆無だ」

セリーナ

(・∀・)

「以前、私も誘惑してみたことがあるが、完全に無視された」

アベル

( ゚д゚ )

「――。正気か?」

セリーナ

( •̀_•́ )

「無論、本気だ」

アベル

(;´Д`)

「俺は本気かを問うたのではなく、正気かを問うたのだ」

セリーナ

(¬_¬)

「可能性は二つ、種無しか……」

アベル

「意図的に子を作っていない」

👑 委ねるのか

勝ったあとのことを、問われる

セリーナ「この戦いに勝利したあと、空の玉座に誰を座らせ、帝国をどうするつもりだ?」

アベル

(・_・)

「何故、俺に問う?」

セリーナ

「あの『皇太子』が、この巨大な内乱を牽引するお前の本命であると考えるからだ」

『認識阻害』の効果があるとはいえ、その効力のあまりの高さに我が事ながら感心する。

――正体も、本心もこうまで覆い隠せるものかと。

アベル

(・・・・・・)

「疑らずとも、あれに玉座を与えるつもりはない。貴様の見立ては誤りだ」

セリーナ

「では、私の推察は全て外れたと?」

アベル

「あれを表舞台に引き出すことと、手元に置いておくこととの比重だ」

アベル

「後者はさして重要ではない。――どのみち、あれの甘さは他者の犠牲を容認できぬ」

🖤 憎悪

首を刎ねる芽は、すでに摘んである

場合によっては、ここでアベルの首を刎ね、反乱を終わらせることさえできたのだ。

――その芽は摘んだ。いくらかの、アベルの内の溜飲を犠牲に。

アベル「躊躇も容赦も打ち捨て、その甘さを最大限利用するがいい。――ナツキ・スバル」

唇に乗せた名前の主の姿は、記憶の中でもいちいち安定しない。

素顔と女装、さらには幼児の姿と、記憶の中ですら慌ただしい手合いだ。

甘さと青さを剥き出しにしながら奔走するスバルの姿に、アベルは唇を歪める。

強い、嫌悪で。――否、それは憎悪と、そう言い換えた方が適切かもしれない激情だった。

🔮 星に導かれて

歓迎されるとは思わなかった、と笑う

「――何奴だ!」

ウビルク

(・∀・)

「いやー、こうまで歓迎されるだなんて思いませんでした。ぼかぁ、人気者ですねえ」

「ふざけるな! お前はいったい、どこからやってきた!」

ウビルク

「星に導かれて、なんていうと少し詩的が過ぎますかーね?」

アベル

( •̀_•́ )

「――武器を下ろすがいい。そのものに危険はない」

アベル

「たとえ刃物を持たせたとて何もできぬ。言葉を弄することだけが取り柄の道化だ」

ウビルク

(´・ω・`)

「あーれれ、ひどい言われようだなぁ。ぼかぁ、傷付きましたよ?」

セリーナ

(╬゚д゚)

「何故、お前がここにいる? お前は『星詠み』の――」

ウビルク

「――ウビルク、ですよ。お見知りおきを、ドラクロイ上級伯。もっとも」

ウビルク「――『大災』のあとでも、あなたが生き残っていたらの話ですけーどね?」

第七章103『星の秒読み』終了。